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肝内胆管がん(胆管細胞がん)の治療

肝内胆管がんは原発性肝がんの一種で、肝臓原発の悪性腫瘍の中で肝細胞がんに続いて2番目に多い腫瘍です。最も優れた治療は手術と考えられますが、幸いにして手術できたとしても、再発のリスクがないわけではありません。また、腫瘍がかなり大きい場合や、肝内に転移がみられる場合や、リンパ節・骨・肺などに転移がある場合には手術の対象とはなりません。

手術できない肝内胆管がんに対する一般的な治療は全身化学療法ですが、その奏効率は10〜20%程度で、現在のところ決まった治療法がないのが実情です。

当院での肝内胆管がんのデンプン粒を用いた一時的肝動脈塞栓術(DSM-TACE[高度進行肝細胞がんの項を参照])による治療は2002年から行っていますが、過去3年間で8例を治療し、腫瘍の50 %以上の縮小を4例に認め、奏効率は50 %でした。

なお、肝内胆管がんの手術後の再発に関しては、「転移性肝がんの治療について」で別に解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。

図2図1肝内胆管がんの74歳女性の治療経過をご紹介します。
患者さんは2003年12月に精査目的で当院へ来院されました。CT検査では11cm大の腫瘍が肝右葉を中心にひろがり、下大静脈も腫瘍により内腔が確認できず(図1)、門脈右枝は腫瘍により閉塞しています(図2)。他に明らかな転移は認めませんでしたが、消化器外科と検討の結果、局所療法を先行させることになり、2003年12月から月1回のペースで計3回のDSM-TACEを施行しました。

図4図3腫瘍は径6.5cmまで縮小し、下大静脈も内腔がみえるようになり(図3)、門脈も治療前より閉塞している距離が短くなりました(図4)。

また、腫瘍マーカーのCA19-9は治療前の430.7 U/mlが3回の治療後に27.3 U/mlと正常化しました(図5)。毎回の治療後には38℃前後の発熱がみられましたが、数日で下熱しました。

図5

この結果、2004年4月に肝右葉三区域切除が可能となりました。手術標本では、残った腫瘍細胞は一部に限られていました(図6)術後も再発はなく、2005年4月現在、元気に過ごされています。

図6

この方のように、手術不能と考えられた肝内胆管がんの方でも、DSM-TACEにより縮小が得られれば手術が可能となることがあります。

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