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研究内容

研究内容目次

  1. 蛍光イメージングの治療効果を予測するバイオマーカーの探索への応用
    蛍光イメージングの造血器腫瘍診断への応用 (蛍光3D血球アトラス)
  2. 標的分子の遺伝子変異解析と分子標的薬剤の効果予測
  3. 固型がんにおける末梢循環がん細胞、末梢循環内皮細胞の意義
  4. 多発性骨髄細胞株におけるBortezomib耐性機序の解明
  5. がん化学療法におけるバイオマーカー研究
  6. 泌尿器科がんにおける発がんの解明とそれに基づいたあたらしいバイオマーカーの発見および分子標的治療法の開発

固型がんにおける循環がん細胞、循環内皮細胞 

伊藤良則 (乳がん担当部長)

固型がんにおいては薬物療法、手術、放射線治療による集学的治療によって治療成績は向上していますが、しばしば再発しすべてに治癒を得ることは困難です。年々進歩する濃厚な治療によって患者の負担も大きくなっており、治療の最適化、効率化が必要です。固型がん患者の末梢血液中には微少ながん細胞が循環し存在し、これを循環がん細胞Circulating tumor cell (CTC)といいます。転移乳がん患者においてはCTCの存在は再発、予後不良の指標と考えられ、CTCを消失させることが治療効果を向上させます。従って、CTCは治療を適応すべきかを判断する基準となりえます。固型がんの薬物療法は毒性を伴い医療費の負担も大きくなります。現在の薬物療法は長期間にわたる場合も多くありますが、CTCを指標にすることによって必要最小限の治療による最大の治療効果を得ることが可能であると考えられています。また、CTCはがん幹細胞またはがん前駆細胞として原発巣、血液、骨髄を移動している可能性があり、CTCの生物学的特性を明らかにすることで、CTCを標的とした効果的な治療方法を得ることができます。さらに、末梢血液中には循環内皮細胞Circulating endothelial cell (CEC)が存在します。CECは、血管新生および血管壁の維持に重要な役割を果たしています。またCirculating endothelial progenitor cell(CEP)は骨髄起源の血管新生および血管壁の維持に重要な役割を果たしています。近年固形がんに対して化学療法と血管新生抑制剤の併用治療はその有効性が確立されました。血管内皮細胞は血管新生抑制剤の標的であり、CEC, CEPの変動が治療の指標となる可能性があります。併せて、血管新生抑制剤の治療の最適化も目指しております。化学療法センターにおいては固型がん患者の末梢血液中の循環がん細胞、循環内皮細胞の臨床的意義を明確にすることによって薬物療法、手術、放射線などの治療の最適化、効率化を目指し、研究を行っています。

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