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【がん研セミナー(8月25日)のお知らせ「Bachを通して見えてきた腫瘍免疫とRasの交差点」五十嵐 和彦 博士(東北大学大学院医学系研究科・生物化学分野 教授)】

2017年08月21日

演題:Bachを通して見えてきた腫瘍免疫とRasの交差点

 

演者:五十嵐 和彦 博士(東北大学大学院医学系研究科・生物化学分野 教授)

 

抄録:

塩基性ロイシンジッパー(bZip)DNA結合ドメインを有するMafは、がん研にて精力的に研究されたがん遺伝子の一つであり、AP-1ファミリーとして細胞増殖を促進すること、さらにノックアウトマウスやヒト疾患の解析などから眼やランゲルハンス氏島、T細胞などの発生分化に重要であることが報告されてきた。私たちはMafファミリーのMafKと結合する因子として二つのbZip因子Bach1およびBach2を見いだし、その機能解析を進めて来た。

Bach1はp53依存性細胞老化の抑制に作用し、活性型Rasによる線維芽細胞の形質転換に必要であり、さらに、鉄代謝やフェロトーシスの制御に関わる。一方、Bach2はB細胞及びT細胞の分化や活性化を多彩な仕組みで調節する。さらにBach2は腫瘍免疫抑制作用も有する。このような多彩な機能の一部はBach1とBach2で共通する。マウスモデルで明らかになってきたBach1やBach2の機能を俯瞰し、ヒトがん病態との関係や治療戦略について討論したい。

 

 

日時:2017年 8月 25日(金) 17:00〜18:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:野田 哲生 (内線:5231)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

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