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【第44回がん研先端研究セミナー(12月18日)のお知らせ「オルファン核内受容体ERRによる転写コファクターPGC-1αと基本転写因子TFIIHを介した多段階転写活性化機構の発見」中太 智義 博士 [Lab. of Biochemistry and Molecular Biology, The Rockefeller University(Robert G Roeder研究室) ]】

2017年10月16日

第44回がん研先端研究セミナー(12月18日)のお知らせ

 

演題:オルファン核内受容体ERRによる転写コファクターPGC-1αと基本転写因子TFIIHを介した多段階転写活性化機構の発見

 

演者:中太 智義 博士(Lab. of Biochemistry and Molecular Biology, The Rockefeller University(Robert G Roeder研究室))

 

抄録:真核生物の転写機構は、様々なタンパク質因子により制御されている。DNA結合型の転写活性化因子、所謂アクチベーターは、各遺伝子近傍に存在するアクチベーター結合配列に結合することにより、その遺伝子の転写を特異的に制御する。アクチベーターの一種である核内受容体は、ホルモンなどの低分子化合物が結合することにより立体構造が変化して活性型となり、様々な転写活性化コファクターに結合、それらを遺伝子上にリクルートし、クロマチン構造を変化させたり、基本転写因子群の転写開始点への会合を促進したりすることにより転写を活性化する。一方この核内受容体に属するERREstrogen-related receptor)は、代謝や発生、乳癌などに関連する重要な因子であることが示唆されているが、これまで自然界において結合可能な低分子化合物が未同定(=オルファン)であり、その転写活性化機構には不明な点が多い。そこで高度な生化学的解析法を用い、1) 一般的な核内受容体とは異なりERRは転写活性化コファクターと直接結合できず、コファクターのリクルート及び転写活性化にはPGC-1αタンパク質の会合が必須であること、2) ERRは基本転写因子TFIIHとも直接結合し、これも転写活性化に必須であること、そして3)この二経路による転写活性化はES細胞の機能に必須であること、を明らかにした。 
 以上の結果に加え、試験管内再構成転写系を始めとする生化学的解析法の詳細や、転写研究の歴史から見えてくる当発見の意義についても解説する予定である。

 

日時:2017年12月18日(月) 17:30〜18:30

 

場所:研究所1階 会議室A・B

 

連絡先:丸山玲緒 (5262)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

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