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【プレスリリース】新しいがん分子標的治療薬の開発

2013年09月30日

≪ポイント≫
@がん関連遺伝子TACC3の新規阻害剤、Spindlactone (SPL)を開発しました。
ASPLは、がん細胞の紡錘体形成を阻害することにより細胞分裂を停止します。
BSPLは、経口投与により生体内のがん細胞を抑制します。
CSPLは、新しい抗腫瘍効果をもつ抗がん剤として期待されます。


≪ 研究の概要≫
  八尾良司主任研究員(がん研究会・がん研究所・細胞生物部)は理化学研究所との共同研究により、新たながん関連遺伝子TACC3の阻害剤(Spindlactone, SPL)を開発しました。SPLは、がん細胞の細胞分裂を新しい作用機構により停止させることにより抗腫瘍活性をもちます。

  細胞分裂の際には、微小管が重合し紡錘体が形成されます。古くから紡錘体は、有効ながん治療標的として知られ、現在でも、様々な微小管阻害剤ががん治療に使われています。しかし、既存の薬剤は、重篤な副作用を引き起こし、さらに、がん細胞が薬剤耐性を獲得しやすいという問題がありました。本研究では、微小管を直接標的とするのではなく、微小管重合を制御するTACC3を標的とすることにより、それらの問題の克服を試み、新しい作用機構をもつ薬剤、SPLの開発に成功しました。TACC3は様々ながん細胞で高発現しており、SPLはそれらの細胞分裂を阻害します。また、経口投与が可能で、生体内でもがん細胞の抑制効果を示します。SPLは、既存薬剤の弊害を克服するのみでなく、これまでには効果のなかったがんに対しても有効な、新しい抗がん剤となることが期待されます。

  本研究の成果は、文部科学省・次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラムの一環として得られ、9月30日(米国時間)に米国のがん専門誌Oncogene電子版に掲載されました。

  ※詳細はリリース文書をご覧ください。

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