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【第43回がん研先端研究セミナーのお知らせ 「染色体構造を制御する クロマチン結合性RNAの役割」野澤 竜介 博士(The University of Edinburgh, Institute of Genetics and Molecular Medicine(Nick Gilbert研究室))

2017年10月02日

43回がん研先端研究セミナーのお知らせ

 

演題:染色体構造を制御する

クロマチン結合性RNAの役割

 

演者:野澤 竜介 博士(The University of Edinburgh, Institute of Genetics and Molecular MedicineNick Gilbert研究室))

 

抄録:真核生物において、間期の染色体は機能的なクロマチンドメインを構築し、密に折りたたまれて核に収納されている。しかし、その染色体構造を維持あるいは制御する分子機構の全容はいまだ明らかにされていない。われわれは、SAF-A/hnRNPUがクロマチン結合性RNAと結合し、ヒトの間期における染色体の高次構造を転写依存的に制御することを見い出した。その分子機構について詳しく調べたところ、SAF-AATPase活性がクロマチン結合性RNAとの結合により誘導され、ATPとの結合によりSAF-A分子の三次元構造が変化し、SAF-A同士の重合が起こり、ATPaseの働きによりATPが分解すると重合が解消される、というサイクルが回ることが明らかになった。さらに、SAF-Aの重合不全により、染色体の不安定化やDNA損傷への応答機構の活性化が引き起こされた。以上のことから、SAF-Aとクロマチン結合性RNAは、転写に呼応したダイナミックな複合体を形成し、染色体構造を制御していることが示唆され、その結果、ゲノムの不安定性からの保護に重要な役割をはたしていることが考えられた。本セミナーでは、最近の研究成果を紹介すると共に、クロマチン結合性RNAに焦点を当て、間期染色体構造の制御機構の全体像について議論したい。

 

日時:2017年12月13日(水) 15:00〜

 

場所:がん研有明病院・新棟レセプションルーム

 

連絡先:広田 亨(内線5251

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

 

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