ホスピタルコンサートのご報告
【開催日】 2012年2月16日(木)17:00〜
【場 所】 1階ホスピタルストリート
【内 容】 大矢素子オンド・マルトノコンサート
【演奏者】(オンド・マルトノ)大矢素子様、(ピアノ)松本 望様

2月は、大変珍しい『オンド・マルトノ』奏者の大矢素子さんによるホスピタルコンサートを開催いたしました。この楽器の名前を初めて聞くという方がほとんどだと思いますが、『オンド・マルトノ』は、1928年にフランスで発明された電波楽器で、音楽家で電気技師でもあったモリス・マルトノによって発明された楽器だそうです。電気を使った楽器としては、世界で最も古いもののひとつにあげられているそうで、院内掲示板のポスターをご覧になられた患者さんから、「どんな楽器ですか?」「竪琴ですか?」など、開催前より皆さん大変心待ちにしてくださっていました。

当日、楽器のセッティングをしている準備の段階から、ホスピタルストリートには大勢の方が集まって来てくださいました。楽器の本体には鍵盤、その手前には一本の弦が横に張られていて、弦には指輪のようなものがついており、その指輪を動かすことで色々な音程が出ていました。本体の横にスピーカーが置かれていましたが、大矢さんのお話ではこの中に中国のドラが入っているとのことでした。

『オンド・マルトノ』の音色は、二胡のようにもオルガンのようにも聞こえ、とても心地のよい、不思議な世界に足を踏み入れたようで、素敵な演奏を聴かせていただきました。演奏される大矢さんのお姿を見ていると、簡単に弾けるような気がしましたが、実際には音の出方にも特色があるそうで、大矢さん曰く、「電子楽器ですが、アナログに近い楽器」とのことでした。パリ国立高等音楽学院で学ばれたご経歴もある大矢さんはフランス語もとてもお上手で、シャンソンも聴かせてくださり、今までのホスピタルコンサートにはなかったフランスの雰囲気も味わうことができ、楽しいひとときとなりました。

小雪混じりの大変寒い中、入院患者さんも病棟から沢山降りて来てくださり、コンサート開催にあたっては、大矢さんはもちろん、ピアニストの松本さんにもご協力をいただきました。
「入院していなかったら、この楽器を見ることも、演奏を聴くこともなかった!」と言って、喜んでくださる患者さんやご家族に、ボランティアのメンバーも大きなパワーをいただきました。

大矢さん、松本さん、素敵な演奏を本当にありがとうございました!!