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診療科・部門紹介
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核医学部

核医学部

最終更新日 : 2016年11月24日

核医学部とは|診療実績スタッフ紹介FDG-PET(PET/CT)検査

核医学部とは

小泉満
小泉満
核医学部長

核医学部は放射性同位元素を用いる検査や治療を行う部門です。当院の核医学部門では主にがんに関連した核医学検査および治療を行っています。主に行っている検査は骨の病気を早期に見つける骨シンチグラフィ、がんの病期診断、転移・再発診断のためのFDG-PET/CTです。その他に、数多くではありませんが、放射性同位元素の内用療法を行っています。

検査の方法

目的とする臓器の代謝と同じ代謝経路をとる薬剤に、微量の放射能を標識したものを放射性医薬品の検査薬として用います。この検査薬を患者さんに投与して、放射能の体内分布を測定します。得られたデータを処理することで臓器の形態や機能を評価することが可能になります。

放射能の体内分布測定は、写真(1)、(2)のような測定用装置を用います。検査にかかる時間は、検査の種類によって異なりますが約15分〜30分、測定機器の寝台に寝て頂くだけで検査は終了します。

 

放射性同意元素を用いることにより人体の機能を画像化するという特徴があります。通常の核医学検査はほぼ総て行っていますが、以下の項目は当部で重点的に行っている項目です。

1.骨シンチグラフィ

骨の代謝の状態を画像化する検査です。少し詳しく説明しますと、骨は鉄筋コンクリートの様な構造をしています。鉄筋部に相当するものは三重鎖のI型コラーゲンで、コンクリート部に相当するものはカルシウムを含んだハイドロキシアパタイトです。ハイドロキシアパタイトはカルシウムとリン酸塩により作られていますが、骨シンチグラフィの製剤はリン酸塩に良く似た形のビス(ジ)フォスフォネートにガンマ線を出す同位元素を付けたものです。

ビスフォスフォネートは骨が盛んに作られている部分に集まるという性質を持っています。その性質を利用して全身の骨が作られている状態を画像化したものです。そのため、骨の状態を鋭敏に検出する検査です。当部門では、骨シンチグラフィを数多く行っています。

2. 乳がんセンチネル節の検出

乳腺外科との共同研究で核医学的手法を用いたセンチネルリンパ節の検出を2000年より行っています。当初は研究として行って来ました。有用性が認められ現在ではルーチン検査になっています。

原理について少し説明します。センチネルリンパ節とは、がんの原発巣から最初にリンパの流れが入ってくるリンパ節です。がんとその周囲の正常組織からのリンパ流は同じであるという前提で、がん自体もしくはがんの周囲に放射性同位元素を標識したある程度の大きさ(小さすぎると最初のリンパ節をすり抜けてしまう。大きすぎると注射した場所から流れない。約200ナノメーター位が良いといわれている)のコロイド粒子を注射するとリンパ管を通り最初に流れ込むリンパ節(=センチネルリンパ節)に留まります。

がん細胞も注射されたコロイドと同じ様な経路を通って最初のリンパ節に転移するので、コロイド粒子が最初に到達したリンパ節がセンチネルリンパ節であり、最初にリンパ節転移をするリンパ節です。そのセンチネルリンパ節にがんの転移がなければリンパ節転移はないと考えられます。手術では原発巣の切除と共にセンチネルリンパ節を取ります。センチネルリンパ節にがんの転移が無ければ、他のリンパ節にも転移していないと考えられるので他のリンパ節は切除しません。センチネルリンパ節に転移が認められた場合には基本的にリンパ節郭清を行います。

3.FDG-PET(PET/CT)検査

PETは陽電子を用いる核医学検査です。現在、当施設ではデオキシグルコース(FDG)を用いるFDG-PET検査を行っています。FDG-PETの原理は、がん細胞の糖代謝が通常の細胞より亢進しているため、がんにブドウ糖(グルコース)が多量に集積することです。さらには、細胞内に取込まれたグルコースは解糖系の経路で代謝を受けますが、デオキシグルコースはFDG6Pで代謝が止まることで細胞内に蓄積します(メタボリックトラップ)。すなわち、メタボリックトラップにより集積はより強調されます。

当施設では、サイクロトロンで作成した陽電子放出核種を用いて、自動合成装置によりFDGを院内で合成し、厳格な品質検査を行った後に使用しています。また、PET撮像機種は、GEのPET/CTおよび東芝のPET/CTの2台のPET/CT機種を用いています。

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