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診療科・部門紹介
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核医学部

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最終更新日 : 2017年8月23日

核医学部とは診療実績スタッフ紹介|FDG-PET(PET/CT)検査

FDG-PET(PET/CT)検査の説明

FDGとは

FDGはフルオロデオキシグルコースというグルコース(ブドウ糖)に似た薬です。その薬に放射性同位元素である18F(フッ素18)を標識したものが検査で使用する18F-FDGです。この薬は砂糖水のようなものですので、副作用の心配はありません。

保険適用疾患

実際のPET検査の活用においては保険適用を受けるための具体的条件が定められています。

保険適用がん腫は、以前は13種のがんのみに限定されていましたが、平成22年4月の診療報酬改定で、「悪性腫瘍(早期胃がんを除く)」に適用が拡大されました。

  • ただし、他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者

より適正なPETおよびPET/CT検査の実施という観点からは、以下の検査目的の範囲内で実施することが推奨されています。

  1. 治療前の病期診断
  2. 二段階治療を施行中の患者において、第一段階治療完了後の第二段階治療方針決定のための、病期診断。例えば、術前化学療法後、または、術前化学放射線治療後における、術前の病期診断等。
  3. 転移・再発を疑う臨床的徴候、検査所見がある場合の診断。
  4. 手術、放射線治療などによる変形や瘢痕などのため他の方法では再発の有無が確認困難な場合。
  5. 経過観察などから治療が有効と思われるにもかかわらず他の画像診断等で腫瘤が残存しており、腫瘍が残存しているのか、肉芽・線維などの非腫瘍組織による残存腫瘤なのか、を鑑別する必要がある場合。
  6. 悪性リンパ腫の治療効果判定。

PET検査の流れと気をつけていただくこと

FDG-PET検査を受けていただく際の検査手順と注意事項について説明します。

(当院のPET検査はPET/CT装置で施行しています。)

1.絶食

検査前6時間は絶食です。水やお茶は飲んでも構いませんが、糖分が含まれている飲み物は避けてください。飴やガムなども食べないでください。これは食事に含まれる糖分により薬が筋肉に集まり、病気があった場合に発見しづらくなるのを防ぐためです。


検査前に食事をした画像
血糖値が高くなると全身の筋肉に薬が集まり全体がわかりにくくなります。

2.水分摂取

検査前20〜30分から水やお茶を300mL〜500mL程度お飲みください。水分を摂って排尿することで、余分な薬を体から出して、よい画像を撮るためです。

3.注射

薬を肘などの静脈から注射します。検査の都合上、どこから注射したのかを検査担当スタッフが尋ねることがありますのでご協力ください。

4.安静

注射した後運動をすると全身の筋肉に薬が集まり、画像上で病気の部分と正常な部分の判断が難しくなることがあります。そのため、注射した薬が全身に行き渡るまで約1時間、待機室で安静にしていただきます。また、前日に激しい運動を避けて下さい。


おしゃべりをしていたことで口の周りの筋肉に薬が 集まってしまい、診断が困難になった例。

5.排尿

注射した薬は尿になって排泄される性質があります。尿がたまっている状態で検査を行うと、その中に病気が隠れて見つからなくなる場合もあります。よって、膀胱の中を空にするために検査直前にトイレに行って排尿していただきます。

6.撮影

PET/CTと呼ばれる図のような装置を使って全身を撮影します。検査を受ける方は、20〜50分間、装置のベッドに寝ていただきます。PET検査は動きに弱い検査ですので、検査中に動いてしまいますと病気を診断するために有用な画像が得られません。そのため、検査中は体を動かさないようにしてください。

妊婦中または妊娠の可能性がある方は原則として検査は行っていません。検査前に必ず主治医にご相談ください。

検査中に不都合な点がありましたら、体を動かさずに声を出して教えてください。装置には、音声を拾う機械がついていますので、すぐに担当スタッフがかけつけます。


PET/CT装置の外観

撮影はベッドに寝た状態で中央部分の長さ1m程度の穴の中へ入っていきます。

閉所恐怖症の方は、検査前に担当スタッフにご相談ください。

被ばく

FDG-PET検査での被ばく

FDG-PET検査を行うには、撮影の前に放射性同位元素(18F)を投与します。当院では、体重1kg当たり4.0MBqの量を投与しますが、そのときの被ばくは投与量に依存します。

およその目安として、FDG-PET検査では、約3.5〜7mGyの被ばくをします。またFDG-PET/CT検査では、これにCT検査分の被ばくが加わり、約25mGyの被ばくをします。

これらは、人体に影響が出るほどの量ではありませんので、ご心配ありません。但し、胎児あるいは乳児は、放射線の影響が出やすいので、妊産婦や授乳中の女性は検査を受けることが出来ません。検査前に妊娠の可能性がないことをご確認下さい。

放射線画像検査の被ばく

代表的な放射線画像検査の被ばく量を以下に示します。これらは、国際機関IAEA(International Atomic Energy Agency)の医療被ばくガイドライン(低減目標値)をもとに算出したものです。mGyという単位が被ばくの目安になります。

FDG-PET検査の被ばく量は、腹部のX線単純撮影1〜2回分程度の量です。FDG-PET/CT検査の場合は、これにCT検査分の被ばくが加わります。

検査 被ばく量
胸部X線単純撮影 0.3〜0.8mGy/1枚
腹部X線単純撮影 3mGy/1枚
マンモグラフィ 3mGy以下/1枚
上部消化管バリウム検査 15〜20mGy/透視1分
0.5〜3mGy/撮影1枚
腹部CT撮影 10〜20mGy/1スキャン
骨密度検査 0.005〜0.01mGy
骨シンチグラフィ 4mGy/1注射
センチネルリンパ節シンチグラフィ 0.2mGy/1注射
FDG-PET 3.5〜7mGy/1注射
FDG-PET/CT 約25mGy/1検査
  • 診療に用いる放射線は、放射線荷重係数は1であるので、mGy≒mSvとする。

FDG-PET検査およびFDG-PET/CT検査では、放射性薬剤を静脈注射するため、体の内側から被ばくします。投与された薬剤は、糖代謝の盛んな臓器に集まり、時間とともに減衰し、また、集まらなかった一部の薬剤は、主に尿などとして排泄するため、水分を多く取ることで、集まらなかった放射性薬剤を早く体内から出すことができ、被ばくを軽減できるとも言われています。

参考文献

  1. 磯辺 智範他;PET検査・診断 基礎のキソ, 金原出版株式会社, 2008.
  2. 立石 宇貴秀他;悪性腫瘍診断のためのPET/CTパーフェクトガイド, 中山書店, 2010.
  3. 日本放射線技師会;放射線量適正化のための医療被ばくガイドライン,文光堂, 2009.
  4. 日本アイソトープ協会;ICRP Publication 73 医学における放射線の防護と安全,1997.
  5. International Commission on Radiological Protection; Radiation on dose to patients from radiopharma-ceuticals, ICRP Publication 80.1999.
  6. 飯田 忠行他;骨密度測定における被曝線量測定, RADIOISOTOPES, 48, 577-583,1999.
  7. G. Brix etc;全身18F-FDG PET/CT検査を受ける患者の放射線被曝, J Nucl Med 2005 Apr;46(4):608-13, 2005.
  8. 富士フィルムRIファーマ;IN VIVO PRODUCTS INFORMATION, 放射性医薬品添付文書集, 2010.

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