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診療科・部門紹介
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上部消化管内科

最終更新日 : 2022年3月16日

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内視鏡診断と治療

内視鏡検査とは、1cm程度の太さの筒状のスコープを用いて(写真1)、消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)の内部に異常がないかどうかを調べる検査法です。

写真1:上部内視鏡電子スコープ

以前の内視鏡は、顕微鏡のように覗きながら観察するファイバースコープでしたが、現在は電子スコープのため、モニター画面に画像が写し出され、消化管の内部をリアルタイムに確認することが可能です。(写真2) 内視鏡検査は苦しい、痛いなどのイメージを持っている方も多く、また過去に経験した胃や大腸の内視鏡検査がとても苦しくて、2度と受けたくないという方もいらっしゃいます。

当院では、そのような方にできるだけ苦痛なく検査を受けていただくために、麻酔薬(鎮静剤、鎮痛剤の静脈注射)を使用した検査も行っています。鎮静剤を使用することで、ほとんどの方が眠気を催してうとうとしているうちに検査を終えることができます。

内視鏡検査における鎮静剤の使用は、検査中の管理をしっかりと行うことで、安全に使用することができ、また患者さんにとっても検査が楽になるだけでなく、内視鏡を行う医師にとっても、より精密な検査を行うことができます。当院では、内視鏡検査時に鎮静剤を希望する方には、安全に使用できるいくつかの条件を確認した上で、使用しています。

消化管の癌のうち、特に胃がん、大腸がんは頻度が高く、本邦の2013年度のがん死亡数統計では、男性は胃がん第2位、大腸がん第3位、女性は大腸がん第1位、胃がん第3位と報告されています。

このように死亡数の多い胃がん、大腸がんですが、がんの進行の程度を表すステージ分類において、がんの早期段階であるステージTであれば、治療後に5年以上生存できる割合は90%以上です。(図1) このことから、胃がん、大腸がんとも自覚症状がない段階で発見し、治療を行うことが最も重要です。

図1:胃がんのステージ別5年生存率

最近では、早期診断されたがんは、お腹を切らず、口や肛門の内視鏡で行う内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、体に負担が少ない方法で治療ができます。このような内視鏡で治療できる段階で病変を診断するためには、内視鏡は不可欠な検査として位置づけられています。

当院では、年間に食道・胃・大腸の内視鏡検査を2万人以上の方に行っており、本邦でもトップクラスの内視鏡検査数、治療数を行っています。

また検査・治療数が多いだけでなく、治療方針の決定には、内視鏡医、外科医、化学療法医、放射線治療医、病理医など複数の専門医が参加するカンファレンスを日常的に行い(写真3)、最善と思われる治療を提供する体制を整えていることも、日本を代表するがん専門病院としての特色のひとつです。

写真3:述前内科外科カンファレンス

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