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診療科・部門紹介
診療科・部門紹介

整形外科

整形外科

最終更新日 : 2016年11月8日

整形外科とは|診療科の特徴|診療実績スタッフ紹介

診療科の特徴

診療システム

骨軟部腫瘍の診断から治療への迅速化と適正化を図るため、画像から治療までを整形外科全スタッフが一丸となって行っています。入院に際しては、主治医を阿江、谷澤、五木田、早川の4グループとし、それぞれに担当医、レジデントを配しています。治療計画はすべての担当医が参加するCancer Boardによって決定され、手術前には、主治医から手術法についての説明があります。手術後は腫瘍材料の入念な解析と検査が行われます。これにより、得られた情報を次の診療に取り入れることで、絶え間なく技術改善を行い、これまでその集積に基づき新しい診断や治療法を開発してきました。すなわち、当科は常にoriginalityの高い新しい診断・治療を実践に供することを使命としている科と言えましょう。

正確、かつ迅速な診断

遠方からおいでになる患者さんが多いので、来院されたその日のうちに良性悪性の診断と治療方針をお話できるようにしております。実際の診療手順は骨腫瘍と軟部腫瘍の場合で多少異なります。

骨腫瘍の場合、X線を撮影しその所見から良性・悪性を予測します。悪性の可能性があるか、良性でも手術の必要性がある場合にはCT・MRI・骨シンチなど必要な検査を早期に行います。緊急性が有ると判断した場合は諸検査を1週間以内で実施し、入院治療の体制を整えます。

軟部腫瘍の場合は、初診時X線(軟部撮影)や超音波検査を行い直ちに針生検を行います。針生検の迅速細胞診によりほぼ95%の患者さんで良性か悪性かの判定が受診日に分かります。

悪性であれば骨腫瘍の場合と同様1週間以内にCT・MRIなどを終了し、治療への体制を整えます。このような迅速な対応を行いうるシステムは、国内・外を問わず他に類を見ません。

Cancer Board

整形外科医、形成外科医、放射線科医が毎週2回集まり、術前には画像と生検診断から切除範囲と再建法を決定します。術後には手術材料と術前の画像を詳細に比較検討することにより、術前予測と同じように腫瘍が存在したか、再建法は適切であったか、補助療法の追加の必要性などを討論し、治療成績向上、治療法改善の基礎的な資料としています。

治療方針

確実な腫瘍切除

治療法の第一原則は原発の腫瘍を完全にコントロールすることです。それには、安全な切除縁での腫瘍切除手術が最も重要です。安全な切除縁が確保できれば手足の切断を行う必要はありません。安全な切除縁とは、その部位で切除すれば通常再発が生じない切除範囲であり、当科の長期における研究の蓄積で徐々に解明されてきた切除範囲の指標です。安全な切除縁データは当科の手術資料に全国の専門家有志の新しい資料を加え毎年1回、解析結果を更新し公表しています。これに基づく手術により、95%の患者さんで患肢が温存できます。

術中切除縁評価法(ISP):手術前の画像検査で安全な切除縁の確保ができるか否かの判定が困難な場合もあります。このような時には、我々が開発した術中切除縁評価法(ISP)が有効です。この方法を用いれば、腫瘍細胞による汚染の危険がなく、血管神経を温存できるか否かの判定が可能となります。ISP法により、不要な術前の化学療法や放射線療法を省くことが可能となります。

3Dナビゲーションシステム:悪性骨腫瘍の手術におけるコンピュータ支援画像診断システムをいち早く採用しています。従来と比較してリアルタイムで術野の位置情報が確認できるため手術侵襲の軽減や時間の短縮が可能になりました。またミリ単位の誤差で精度の高い骨切除を行うことが可能となり、手術の安全性が向上し、最小限の切除により機能温存手術が増加しております。

原発の腫瘍がとても進行しており、安全な切除縁の確保と機能温存の両立が難しい場合には、術前の治療を行います。術前の化学療法や放射線治療が著効した場合には、切除範囲が縮小できるので、より優れた機能の患肢を温存する事が出来ます。転移し易く化学療法の有効性が高い腫瘍では、手術前から化学療法を行います。これにより、切除範囲が縮小出来るだけでなく、転移のリスクも少なくなり、高い生存率が得られます。また、安全な切除縁確保が難しく切断を勧められても、それに同意出来ない患者さんの場合は放射線や他の手段を講じて最善の安全性を確保したうえで、患者さんの意向に添えるように努力しています。

より良い患肢機能のための再建

患肢温存を行う際には、腫瘍切除後の様々な再建術が必要となります。それぞれの再建法には利点・欠点があります。そこで私たちは手術前にその利点・欠点を十分理解して頂いた上で、患者さん自身に治療法を選択して頂きます。

再建法には人工関節置換、血管再建、筋皮弁移植(顕微鏡下手術を含む)、小児への脚延長型人工関節置換術、創外固定器による脚延長術、当科で開発したパスツール処理骨による骨再建、北里大学骨バンクより供与された同種骨移植などを行っています。

やむなく進行例で切断を行う場合でも、通常の切断よりも長い切断端が得られる回転形成やturn up法が可能です。

治療期間の短縮・早期の社会復帰も考慮した治療

現在、高悪性の軟部肉腫においては、術前と術後に入院で化学療法を行い、さらに放射線治療を併用する方法が広くおこわなれています。しかし、我々が提唱している安全な切除縁の概念とISP法を併用することにより、多くの症例で放射線治療を併用しないで治療することが可能です。また、高悪性軟部肉腫に対する予防的な化学療法が必要な症例では、手術終了後に外来で行うことにより、入院期間を短くすることができます。肉腫は今や特別な病気ではありません。治療期間を可能な限り短くして、早期の社会復帰を可能にするように心がけております。

腫瘍用人工膝関節の再置換

これまでの腫瘍用人工膝関節は、長期間使用するとゆるみや折損が生じて入れ直す(再置換)する必要があります。

当科では、1980年よりいちはやく骨腫瘍切除に腫瘍用人工関節による再建を数多く行って来たため、同時に耐久性により問題の生じた人工膝関節の再置換も手がけてきました。同種骨を併用した腫瘍用人工関節再建法をいち早く導入し、自家骨組織の再生、温存を図ることにより、可能な限り良好な患肢機能を維持するように努めております。

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