癌研有明病院 THE CANCER INSTITUTE HOSPITAL OF JFCR

レディースセンター(婦人科)(疾患別がん診療部門)

TEL:03-3520-01111 癌研究会トップページ
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レディースセンター(婦人科)

スタッフ紹介

滝沢 憲 平井 康夫 竹島 信宏 宇津木 久仁子
滝沢 憲
レディースセンター長
兼 婦人科部長
兼 副院長
平井 康夫
(副部長
兼 健診センター所長
兼 細胞診断部部長
兼 腫瘍精神科部長)
竹島 信宏
(副部長)
宇津木 久仁子
(医長)
杉山 裕子 藤原 潔 馬屋原 健司 川又 靖貴
杉山 裕子
(医長)
藤原 潔
(医長)
馬屋原 健司
(医長)
川又 靖貴
(医員)
岩瀬 春子 荷見 勝彦    
岩瀬 春子
(医員)
荷見 勝彦
(顧問)
   

その他スタッフ

尾松公平、紀 美和、坂本公彦、高田恭臣、上森照代、飯塚千祥、松村眞紀、
町田弘子

嘱託医員

山内一弘

メッセージ

1. 婦人科がんの治療数は全国一
2. 長年の経験と蓄積されたデータに基づき診療
3. 患者の状態や希望を考慮した必要にして十分な治療の提供
4. 常に経験のある医師が先頭に立ち、責任ある医療を提供
5. 性器がん治療後のQOL改善に努力

はじめに

婦人科と乳腺科は、がんの誘発原因が女性ホルモン関連因子で共通していることから、乳がんと婦人科がんの重複発生や、治療後の後遺症・合併症の管理について、相互に協力してきました。
有明病院ではレディースセンターとして、受け付け・待合い室を共有した隣同士で外来診療を行い、また、9階を女性専用病棟として共有するなど、ハード面でも更に接近しました。
2009年4月より、看護体制改編のため10階病棟は科学療法科、泌尿器科との混合病棟になりました。
滝沢レディースセンター長のあいさつ文に書かれている通り、私たちは連携を密にして、女性の皆様にとって頼りになるレディースセンター婦人科をめざす所存です。
さて、私たちのホームページでは、まず、1)婦人科がんについての解りやすい説明を、「がんの知識」として掲載しています。婦人科スタッフが、一般的・教科書的説明のみならず、私たちの診療指針に沿った形で解説しています。どうぞ、御熟読ください。ついで、2)私たちの診療のスタンス・特徴、3)私たちが新規に治療した婦人科がん患者の実数の推移(他院治療後症例は除く)、4)子宮頸がん・体がん・卵巣がんの治療成績(生存率)、及び、5)私たちが計画している臨床研究などを掲載しました。御一読下さり、皆様のお役にたてれば幸いに存じます。

有明婦人科の会

HPV ワクチンのこれから
(2010年02月23日(火) 14:00〜15:20)

診療内容

子宮

担当病名 がんの知識
子宮がん これらのがんの知識ページへ
子宮頸部異形式  
子宮頸がん  
子宮体がん  
子宮肉腫  

卵巣

担当病名 がんの知識
卵巣がん これらのがんの知識ページへ
卵巣腫瘍  
卵巣のう腫  

私たちの診療スタンス・特徴

私たちは、化学療法科や放射線科の助言を得つつ、婦人科医が責任を持って手術・化学療法・放射線療法などの治療手段のなかから、患者の皆様の状況に応じて、最適な治療方針を決定し、それを安全に実施するシステム(集学的治療)を構築しています。

特徴

1. 個別化治療―個々の患者のがんの特徴、身体的精神的状況、要望に合わせた治療。
2. 正確な細胞診断、組織診断に立脚したがん治療。
3. 治療後の検診―再発の早期発見。
4. がん治療に伴う後遺症・合併症によるQOL低下を予防(内分泌・骨外来、リンパ浮腫予防外来、また脱毛などに対応する帽子 クラブなど)。

診療実績:婦人科がん患者の実績の推移

図1. 婦人科がんの新鮮症例数(癌研)
婦人科がんの新鮮症例数(癌研)
最近3年間(2001~2003)に、私たちが新規に治療を始めた婦人科がん患者の人数の平均は、子宮頸がん173人、子宮体がん101人、卵巣がん78人です。

子宮頸がんの治療数

子宮頸がん 2005年 2006年 2007年 2008年
0期 63 98 107 120
I期 56 72 68 83
 Ia1 22 24 23 19
 Ia2 0 1 1 1
Ia(亜分類不明) 0 0 0 2
 Ib1 29 35 31 45
 Ib2 5 12 13 16
II期 18 24 19 19
 IIa 7 6 12 10
 IIb 11 18 7 9
III期 10 13 13 16
 IIIa 0 2 2 0
 IIIb 10 11 11 16
IV期 7 10 15 16
 IVa 2 3 3 2
 IVb 5 7 12 14
合計 154 217 222 254
(2008年 治療法別内訳)
臨床進行期
(症例数)\治療法
円錐切除(レーザー蒸散含む) 単純子宮全摘術(腹式/膣式) 準広汎子宮全摘術 放射線療法
0期(120) 86 21 0 0
臨床進行期
(症例数)\治療法
円錐切除(レーザー蒸散含む) 単純子宮全摘術(腹式/膣式) 準広汎子宮全摘術 準広汎子宮全摘術
(リンパ節廓清あり)
広汎子宮全摘術 放射線療法
Ia1(19) 9 1 8 1 0 0
Ia2(1) 0 0 0 1 0 0
Ia(亜不明)(2) 0 0 0 0 2 0
計(22) 9 1 8 2 2 0
臨床進行期
(症例数)\治療法
広汎子宮全摘術 広汎子宮全摘術(術後化学療法あり) 術後化学療法施行例 化学療法併用放射線療法 放射線療法 化学療法
Ib1(45) 26 19 0 0 0 0
Ib2(16) 1 2 13 0 0 0
IIa(10) 3 1 6 0 0 0
IIb(9) 0 1 2 6 0 0
IIIa(0) 0 0 0 0 0 0
IIIb(16) 0 0 0 14 2 0
IVa(2) 0 0 0 2 0 0
IVb(14) 0 0 1 4 3 6
計(112) 30 23 22 26 5 6

子宮体がんの治療数

2008年子宮体癌の治療症例数
子宮体がん 2005年 2006年 2007年 2008年
0期 2 4 2 3
I期 69 73 86 92
 Ia 24 26 34 32
 Ib 34 30 33 47
 Ic 11 17 19 13
II期 6 10 9 8
 IIa 0 3 7 5
 IIb 6 7 2 3
III期 23 38 40 32
 IIIa 11 25 21 17
 IIIb 0 0 0 0
 IIIc 12 13 19 15
IV期 2 7 6 5
 IVa 0 2 1 0
 IVb 2 5 5 5
小計 102 130 143 137
子宮がん肉腫 7 14 14 9
子宮肉腫 1 3 13 2
合計 110 147 170 148
2008年 治療別内訳
  手術 手術&化療 化療 放射線 放射線&化療 MPA
0期 (3例)           3
T期 (92例)            
 Ta (32例) 25 5       2
 Tb (47例) 38 9        
 Tc (13例) 4 9        
U期 (8例)            
 Ua (5例) 3 2        
 Ub (3例)   3        
V期 (32例)            
 Va (17例) 5 12        
 Vb (0例)            
 Vc (15例) 1 14        
W期 (5例)            
 Wa (0例)            
 Wb (5例)   3 2      
子宮がん肉腫 (9例) 2 7        
子宮肉腫 (2例)   2        
合計 (148例)            

卵巣がんの治療数

2008年症例 卵巣癌(84症例), 卵管癌(8症例), 腹膜癌(3症例)
期別分類と治療
"臨床進行期
(症例数)/治療法"
初回手術+-術後化学療法     術前化学療法+手術     化学療法
@ 付属器切除術(片側/両側) A 子宮摘出/付属器切除+大網切除 B A+骨盤内/傍大動脈リンパ節廓清 @ 付属器切除術(片側/両側) A 子宮摘出/付属器切除+大網切除+* B A+骨盤内/傍大動脈リンパ節廓清  
I IA 6 2 2 2        
  IB 0              
  IC 23 3 4 16        
II IIA 0     1        
  IIB 0     1        
  IIC 15 1 3 9   1 1  
III IIIA 0              
  IIIB 4   1 1     2  
  IIIC 27   3 6   7 7 4
IV   17 2 2 1   4 6 2
LPM, borderline malignancy
  @
核出術
A
付属器切除術
(片側/両側)
B
子宮摘出/付属器切除+大網切除
C
B+骨盤内/傍大動脈リンパ節廓清
I IA 8 0 6 1 1
IB 0 0 0 0 0
IC 6 1 4 1 0

子宮頸がん・体がん・卵巣がんの治療成績(生存率)

1.子宮頸がん

子宮頸がんの進行期がT期、U期の場合、手術可能であれば手術を受ける方が多い(50歳未満の場合、卵巣の温存が可能な手術を選ぶ方が特に多い)。さて、手術の結果としてリンパ節転移が陽性ですと、術後の再発が心配なため、術後に全骨盤照射(放射線治療)をすることが、現状では一般的とされています(癌研も1989年より前にはそうでした)。しかし、私たちが一生懸命に手術した部位(骨盤)に放射線をかけると、残された骨盤内臓器には二重の負荷がかかること(結果として、排尿の異常が増加し、腸閉塞の危険も増える)、折角残した卵巣機能も失われること、両下肢のリンパ浮腫が増悪する等のマイナス面が心配でした。
一方では、子宮頸がんもシスプラチンなどの抗がん剤に反応することが判ってきたため、癌研では、1989年より手術後の放射線治療は全てやめて抗がん剤による化学療法に切り替えたのです。図2は、子宮頸がんリンパ節転移陽性例における術後療法別の無病生存率を示しました。1989年より前は術後放射線治療をしていましたが、5年生存率は60%位でした(一般的には50%位です)。ところが、化学療法に変えた1989年以降は80%をこえていて明らかに優れています。私たちはこの結果を得て、現在もこの治療方針を堅持し、その正しさを訴えています。(なお、リンパ節転移陰性例では90%を超えています)

図2.子宮頸がんリンパ節転移陽性例(手術完遂例)における術後補助療法別の無病生存率 (ヒストリカルスタディー;癌研)

子宮頚がんリンパ節転移陽性例(手術完遂例)における術後補助療法別の無病生存率(ヒストリカルスタディー;癌研)

2.子宮体がん

体がんの治療については、二つの問題があります。一つは子宮頸がんと同じく手術後に再発が心配な場合に放射線をかけるか、化学療法をするかという問題です。癌研では、1989年から子宮頸がんと同じく、全面的に化学療法に切り替えました。現在、多くの施設で、放射線から化学療法への切り替えが進んでいますが、私たちは15年以上も前から切り替えていたのです。二番目の問題は根治手術に際して、骨盤リンパ節に加えて、大動脈周囲リンパ節も郭清(すっかり摘出すること)するかということです。
癌研では1989年から大動脈周囲リンパ節郭清を開始し、1995年からは大部分の根治手術に組み込みました。図3は、手術後化学療法と大動脈周囲リンパ節郭清を開始後の5年無病生存率を示しました。進行期T期、U期とともに、V期の生存率が著しく改善しています(癌研の以前の成績は50%位でした)。以来この基本方針を堅持してきましたが、最近は、術前のMRIなどの画像診断で腫瘍の大きさや子宮の筋層への浸潤の程度を判定し、大動脈周囲リンパ節郭清を省略する基準を決めて縮小手術をするようにしています(それでも、癌研の場合、体がんの根治手術の70%に大動脈周囲リンパ節郭清を実施しています)。

図3.子宮体がんの累積無病生存率(1991-2000、癌研)

子宮体がんの累積無病生存率(1991-2000、癌研)

3. 卵巣がん

卵巣がんは、進行期に関わらず、最初の開腹手術の際に腫瘍をできるだけ完全切除し、術後に化学療法を行う治療(手術先行治療)が現在の標準治療と言われています。早期がんの場合は、この戦略で治療を行うのは問題ありませんが、ある程度進行した卵巣がんの場合は、はじめの手術では完全切除しきれなかったり、診断のための組織採取のみに終わる場合(試験開腹)も多々あります。そこで、癌研では、このような進行卵巣がんに対し、従来より、先に化学療法を行い腫瘍や播種の縮小、腹水・胸水の消失後に手術を行う治療(化学療法先行治療)を行ってきました。この治療法では、手術の際の完全切除率が高く、また、化学療法の効果をあらかじめ知ることができるなどのメリットがあります。
図4に最近の7年間(2000-2007)に治療を開始した417例の治療成績(生存率)を示しました。V期、W期の5年生存率は一般に報告されている手術先行治療の成績と遜色なく、当院で行っている化学療法先行治療も進行卵巣がんの治療戦略として有用と考えられます。ただし、2年以内の再発も多く、手術に加えて、術後の強力な化学療法の開発が重要と考えられます。

図4. 卵巣がん累積生存率

卵巣がん累積生存率

私たちが計画している臨床研究

1. 子宮頸がん臨床進行期。b1期に術前化学療法(NAC)を用いて、治療成績を損なうことなく縮小手術を適用し、後遺症(神経因性膀胱による排尿障害など)を軽減する。
2. 子宮頸がん臨床進行期。Ib2(bulky)-、IVa期の治療成績を改善するための、同時的化学放射線療法(CCR)は日本人についてもアメリカ人と同じく有用か、もし有用ならどういう化学療法のレジメンを用いるべきか。タキソールとシスプラチンを毎週一度併用投与する第T相、第U相試験が開始された。
3. 子宮体がんの根治手術に含まれる傍大動脈リンパ節郭清は、診断的意義のみならず治療的意義もあることを証明できないか。 あわせて、手術照射を行わず、術合化学用法(タキソール+カルポプラチン)の有効性も検討している。
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