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研究内容

目次

  1. DNA損傷修復機能と乳腺発がん
  2. BRCA蛋白の新規機能と乳腺発がん

DNA損傷修復機能と乳腺発がん

DNAは遺伝情報の担い手であり、その正確な複製と子孫への伝達は生物の本質的特性といえます。DNAは放射線、紫外線などの外的要因や細胞の代謝過程で生ずる活性酸素、細胞分裂に伴う2本鎖DNAの切断など内的要因によっても絶えず損傷を受けています。生物はこのようなDNA損傷に対し多様なシグナル伝達機構により細胞周期を停止して損傷を修復し(チェックポイント機構)、修復不能な場合には細胞死(アポトーシス)を誘導し、損傷によって生ずる突然変異の蓄積を回避しています。

このようなDNA損傷に関わる機構の破綻は、がんをはじめとする広範な疾患の原因となります。遺伝性乳がんの原因遺伝子BRCA1、BRCA2がDNA損傷修復や転写制御に関ると明らかにされたことから、乳がんの発生にDNA損傷修復機能の異常が強く関っていると推測されるようになりました。

本研究ではBRCA1、BRCA2がいかなる細胞内情報伝達によりDNA損傷修復を制御するかを解明すれば、遺伝性乳がんのみならず一般乳がんの発生メカニズムも明らかになると考え、この課題に取り組んでいます。

  • DNA損傷に対するBRCAタンパク質の機能
    DNA損傷に対するBRCAタンパク質の機能

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