【がん研セミナー(1月23日)のお知らせ「ヒストンバリアントの形成するクロマチンの構造と機能」立和名 博昭 博士(早稲田大学 理工学術院)】
2016年12月07日
がん研セミナー(1月23日)のお知らせ
演題:ヒストンバリアントの形成するクロマチンの構造と機能
演者:立和名 博昭 博士(早稲田大学 理工学術院)
抄録:
真核生物のゲノムDNAは、クロマチン構造を形成して核内に収納されている。クロマチン構造は可逆的に変化することで、複製・転写・組換えなどDNA上で行われる反応を制御している。さらに、クロマチンにはセントロメアやテロメアなどの特定の機能を担い、細胞の恒常性維持に寄与している領域も存在する。クロマチンの基本単位はDNAとヒストンタンパク質(H2A、H2B、H3およびH4)からなるヌクレオソームであり、クロマチンの機能発現にはヌクレオソームを構成するDNAとヒストンの化学修飾(DNAのメチル化、ヒストンのアセチル化、メチル化、リン酸化など)やバリアントと呼ばれるヒストン亜種が関わっている。これらの因子は、エピジェネティックなマーカーとなりクロマチン構成因子の集積や解離に関わり、クロマチン構造のダイナミクスを可能にしている。これまでに私はクロマチンの試験管内再構成系と細胞生物学的手法を用いて、ヒストンバリアントを含むクロマチンの構造および機能の解析を行ってきた。本セミナーでは、精巣特異的に発現しているH3バリアントH3Tおよびセントロメア領域の形成に必須なCENP-Aの形成するクロマチンの構造と機能に関して、これまで得られた知見の発表を行い、ヒストンバリアントの形成するクロマチンの構造と機能について議論する。
日時:2017年1月23日(月)16:00〜17:00
場所:吉田講堂
連絡先:野田 哲生(内線5231)
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。