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【がん研セミナー(8月21日)のお知らせ「網羅的がん遺伝子検査による、がんプレシジョンメディシンの実践」西原広史先生(国立病院機構 北海道がんセンター がんゲノム医療センター長 / 慶應義塾大学病院 腫瘍センター 客員教授)】

2017年07月19日

演題:網羅的がん遺伝子検査による、がんプレシジョンメディシンの実践

 

演者:西原広史先生(国立病院機構 北海道がんセンター がんゲノム医療センター長 / 慶應義塾大学病院 腫瘍センター 客員教授)

 

抄録:

癌の個別化診断・治療にむけて、臨床現場で半網羅的な遺伝子解析を行い、診断・治療に必要なデータを抽出するクリニカルシークエンスの確立が急務の課題である。西原らは三菱スペースソフトウエア(MSS)社と共に、北海道大学病院において院内クリニカルシークエンスシステムとしては国内初となる網羅的がん遺伝子解析システム「クラーク検査」を開発して臨床実装した。「がん遺伝子診断部」は、検体処理とNGSによるシーケンスを担当する生体試料管理室を中心として、がん薬物療法を担当する腫瘍内科および腫瘍センター、胚細胞変異の判定と患者対応を担当する臨床遺伝子診療部に加えて、シーケンス結果の解析を担当するMSS社のバイオメディカルインフォマティクス部門の連携によって構成され、チーム医療体制を敷いている。

「クラーク検査」は、最大160遺伝子を標的としたアンプリコンシーケンスによるターゲットエクソームシーケンスであり、腫瘍組織から採取したがん細胞由来の遺伝子と、血液から採取した正常遺伝子を比較することで、腫瘍細胞特異的ながん遺伝子の異常(変異、増幅、欠失など)を検出する。得られた遺伝子解析データは閉鎖系VPN網による高度セキュリティーネットワークを介してMSS社の自動解析システムへと転送される。MSS社のバイオインフォマティクス解析系において、COSMIC、ClinVar等、最新のゲノムデータベースから治療に有用な情報を付与し、作成された遺伝子解析報告書が約3日後に届く。平成28年4月〜平成29年4月末までの13か月間に156名の検査を実施し、腫瘍化の原因となるActionable遺伝子異常の検出率は95%、治療薬の選択に直結するDruggable遺伝子異常の検出率は72%であった。実際、本検査の結果に基づいて16名の患者が特定の薬剤による治療を実施している。また、北海道がんセンターでは、平成29年7月より、外注検査として実施可能な「プレシジョン検査」を導入し、CAP(米国病理学会の臨床検査認定プログラム)承認をもつ検査センターによる高精度検査として網羅的がん遺伝子検査を開始している。また、慶應義塾大学病院を始め、複数の医療機関にて当該検査の実施準備が進んでいる。本講演では、網羅的がん遺伝子解析システムの現状と、クラーク検査及びプレシジョン検査の解析結果をもとに、がんプレシジョンメディシン(がん個別化医療)の現状と問題点について報告する。

 

日時:2017年 8月 21日(月) 18:00〜19:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:竹内 賢吾 (内線 7149)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

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