細胞検査士養成所について

概要

最終更新日 : 2017年5月30日

「細胞検査士養成所紹介」 ●2014年新教室に移転しました

おかげ様で開所50周年を迎えます

わが国の細胞検査士養成所の歴史は,がん研から始まりました.

杉山裕子
細胞検査士養成所 所長
杉山裕子

わが国の細胞診は,1959年癌研(現がん研有明病院)婦人科部長の増淵一正先生が設立した東京細胞診研究会を経て,1961年に日本婦人科細胞学会が設立され,翌1962年に日本臨床細胞学会に発展改称されたのが始まりとされています.当初学会事務局は,がん研婦人科内に設置されていました.1968年には細胞診断実務の教育ならびに指導に当たる医師の育成を目的に,細胞診指導医(現在の細胞診専門医)制度が誕生し,同時期に細胞診を専門とする臨床検査技師の育成を目的に当院と大阪の2ヶ所に日本発の細胞診スクリーナー(現.細胞検査士)養成所が設立されました. 当院の養成所は病院の附属施設としてその保護のもとに運営が継続され,おかげ様で本年50周年を迎えることができました.

細胞検査士とは,臨床検査技師が持つ資格で,細胞診検体の作製から顕微鏡で細胞を観察し,異常細胞を発見する業務を主に担当します.臨床検査技師の国家資格を有し,主として細胞診検査の実務に1年以上従事した者,細胞検査士養成所(当院の施設)あるいは養成コースのある大学卒業,卒業見込み者が日本臨床細胞学会にて施行される細胞検査士資格認定試験に合格することが必要です.

細胞検査士養成所は,「使命(Mission):癌の早期発見と正確な診断に寄与する細胞検査士を育成する.共有する価値観(Core Values):高質・友愛・相互教育.将来展望(Vision):細胞診断技術において世界最高水準の細胞検査士を育成する.」を基本理念としております.教育の特徴としては,細胞検査業務としての異常細胞の発見のみならず,細胞採取の介助から検体作製,検査に必要な染色法の選択,検査結果の精度管理まで,実臨床に役立つ細胞検査士の育成を目指しています.講師には,がん研の臨床病理センターの先生のみならず,病院でがん治療に携わっておられる臨床の先生方,研究所でがん研究に携わっておられる先生方にも直接講義をしていただき,細胞診が臨床・研究の現場でどのように必要とされているか,どのような可能性があるかを伝えていただくようにしております.

開所から2016年までの49年間に,養成所卒業生633人,短期研修生(検査技師)860人,医師研修生126名が学びました.現在全国に9ヶ所細胞検査士を養成する学校が開設されておりますが,社会人入学可能枠を持っているのは当施設を含めた2施設のみとなりました.試験合格率は全国平均25%前後ですが,当養成所卒業生の合格率は常に80%以上できわめて高く,また,卒業生が全国の主たる細胞診断部門の責任者となり現在も活躍しております.

当養成所の強み

  • 高い細胞検査士資格認定試験合格率
  • 就職率 100%、就職決定まで研修可能
  • 土日・祝日の施設利用可能
  • 豊富な症例数、がん専門病院ならではの細胞診件に支えられた研修
  • 養成施設では最多の卒業生を輩出、同窓会活動も活発

4月から10月までの7ヶ月間、院内だけではなく院外からも優秀な講師を招き、細胞検査士に必要な高い知識と技術を教育します。講義内容は基礎的なものから、最先端のものまでと幅広く、試験対策にはとどまらず資格取得後も役立つ知識が身につきます。10月の講義終了後も12月の二次試験直前まで、実習に重点をおいた補講を行います。そのため、高い合格率を維持し、卒業生は日本のみならず海外でもがん撲滅のために日々活躍しています。

細胞診とは

細胞診とは顕微鏡を用いて細胞を診て、細胞の良悪性を判断する検査法です。細胞診には大きく分けて2つの目的があります。
1つはスクリーニングです。これは剥離細胞を対象とし子宮頸部、喀痰、尿などから、悪性細胞や異常細胞を検出します。とくに子宮頸部の細胞診は初期の癌や前癌病変の細胞を検出することで子宮頸癌を減少させる科学的根拠が証明されており、今日も重要な検査となっています。細胞検査士に課せられた重要な検査です。
もう1つは同定です。腫瘤性病変に対して穿刺を行い、採取した細胞を診て、その細胞が良性か悪性か、さらに腫瘍の種類を判定します(穿刺細胞診)。細胞診の結果で治療方針が決められることもあり、患者さんの予後を左右することもあります。全身のあらゆる臓器の腫瘤性病変が対象となり、CTガイド下、超音波内視鏡下などの新しい方法で細胞を採取することが可能となり、細胞診の応用が広がっています。

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