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【がん研セミナー(7月22日)のお知らせ「イオウを利用した生体防御機構とエネルギー代謝」本橋 ほづみ 博士(東北大学加齢医学研究所 加齢制御研究部門 遺伝子発現制御分野 教授)】
2019年05月25日
がん研セミナー(7月22日)のお知らせ
演題:イオウを利用した生体防御機構とエネルギー代謝
演者:本橋 ほづみ 博士(東北大学加齢医学研究所 加齢制御研究部門 遺伝子発現制御分野 教授)
抄録:
KEAP1-NRF2制御系は、生体における酸化ストレス応答において中心的な役割を果たしている。KEAP1はイオウ原子の反応性を利用したレドックスセンサーであり、NRF2はイオウ原子の反応を制御する酵素群のマスター転写因子である。このように、KEAP1-NRF2制御系はイオウを利用した生体防御系であるといえる。NRF2の生体防御における重要性は、Nrf2欠損マウスを用いた解析や、ヒトにおけるNRF2遺伝子の一塩基多型の報告から明らかにされている。NRF2の活性化は生体の抗酸化機能を強化することで、加齢関連疾患の予防や改善に有効であるとして、NRF2誘導剤の開発がすすめられている。一方、NRF2が恒常的に活性化しているがん細胞の解析から、NRF2がシスチントランスポーターからのシスチンの取り込みを活性化することで、ミトコンドリアにおけるイオウ代謝に関与している可能性を見出した。NRF2による活発なイオウ代謝制御ががん細胞自身の増殖能・腫瘍形成能に及ぼす影響と、腫瘍微小環境に及ぼす影響について、現在すすめている解析を紹介する。
日時:2019年7月22日(月) 16:00〜17:00
場所:吉田記念講堂
連絡先:岡本 有加(内線5404)
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。