新着情報

印刷

  • HOME
  • 新着情報
  • 【第54回がん研先端研究セミナー(5月24日)のお知らせ「がん細胞増殖における染色体不安定性の役割」家村 顕自 博士(東北大学加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野・助教)】

新着情報

【第54回がん研先端研究セミナー(5月24日)のお知らせ「がん細胞増殖における染色体不安定性の役割」家村 顕自 博士(東北大学加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野・助教)】

2019年05月09日

第54回がん研先端研究セミナー(5月24日)のお知らせ

 

演題:がん細胞増殖における染色体不安定性の役割

 

演者:家村 顕自 博士(東北大学加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野・助教)

 

抄録:細胞分裂のたびに染色体の数や構造が変動する染色体不安定性(Chromosomal instability, CIN)は、がん細胞がもつ主要な形質の一つであり、がんの悪性進展や薬剤耐性獲得と関連することが報告されている。一方で、培養環境下で細胞にCINを誘導すると、細胞周期停止や細胞死が引き起こされることから、CINは細胞の増殖に不利に働くことも知られている。このことは、CINを有する細胞集団ががん組織内において増殖・蓄積している現象と一見矛盾する。このように、細胞培養系では生体内のCINをもつ細胞の増殖を模倣できておらず、がんの発生やがん細胞の増殖におけるCINの意義については不明な点が多く残されている。分裂期における染色体分配の異常はCINを有する細胞の特徴的な表現型である。今回我々は、CINを有するHeLa細胞より、染色体分配異常の発生頻度が異なるクローン(High-CIN, Low-CIN)を単離培養し、その増殖過程を比較した。一般的な培養環境下では、High-CIN細胞の増殖はLow-CIN細胞と比べて抑制されたが、生体内を一部模倣する三次元培養環境下では、High-CIN細胞の増殖が亢進することが分かった。この結果は、三次元培養によりがん組織内でみられるCINをもつ細胞の増殖・蓄積過程を再現できた可能性を示唆している。本発表では、これらの培養環境で培養した細胞集団の遺伝子発現解析及び一細胞シークエンス解析結果を提示し、がん細胞が増殖する過程で染色体不安定性がどのように寄与しているのか?という点について議論したい。

 

日時:2019年5月24日(金) 16:00〜

 

場所:がん研有明病院・新棟レセプションルーム

 

連絡先:広田 亨 (5251)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております

このページのTOPへ