研究の概要

B-1

患者・医療機関⽀援
ソリューションの開発

⽬的

がん領域における「知識発⾒」と「質の⾼い医療提供」の
⾃律的循環を⽀える医療情報基盤の構築

⽬的の実現に向けて、①医療現場⽀援ソリューションならびに ②患者⽣活⽀援ソリューションの開発と社会実装を進め、従来は⼿作業・⼈海戦術で⾏われてきたRWD収集作業の⾃動化・半⾃動化を実現するとともに、収集したデータを多施設で集積し、薬物療法に関するベスト・プラクティスの共有、あるいは、治験を含む新たな医薬品開発における活⽤など、医療提供・データ蓄積・知識発⾒・医薬品提供のサイクルが⾃律的に循環する基盤を構築する。

⽅法

3つの主要開発項⽬を設定し、
各々の分担研究機関が研究開発を推進

がん診療に関する臨床データ収集データベースの社会実装

主担当：(株)インテック

InterSystems社製IRIS for Healthを⽤いて、がん研有明病院版「統合がん臨床DB」の標準パッケージ化を⾏ない、HL7 FHIRによるデータ連携インタフェースを実装し、複数のがん専⾨医療機関への導⼊を進める。

がん薬物療法⽀援アプリ(患者⽀援プログラム)の社会実装

主担当：TXP Medical(株)

当院をフィールドとして研究開発を⾏ってきた「がん薬物療法問診」を発展させて、患者個別の症状マネージメントや⽇常⽣活・社会活動に関する⽀援情報等の提供を通じて、がん治療の完遂をサポートする患者⽣活⽀援プログラムの社会実装を⾏なう。

診療成績等ベンチマーキング⽐較機能の社会実装

主担当：NTTドコモビジネス(株)

秘密分散・秘密計算環境「析秘」を活⽤し、統合がん臨床DB(標準パッケージ版)からHL7 FHIRインタフェースで連携した臨床データを⽤いて、主要ながん種に関する簡易ノモグラムや患者スクリーニング機能を実装し、セキュリティレベルの⾼いベンチマーキング⽐較機能として社会実装を⾏なう。

※NTTドコモビジネス　秘密計算サービス「析秘（セキヒ）」のイラストを参考に作成
https://www.ntt.com/business/services/secihi.html

指針

⽬指す社会還元

a

⽇本全体におけるがん医療(⼿術/薬物療法/放射線療法)の底上げ・均てん化
b

医師・研究者による⽇本発の医薬品・医療機器開発の促進、
標準治療不応となった患者へ新たな治療機会を提供するグローバル治験の促進
c

統合DBを介してPHR(Personal Health Record)上に薬物療法における有害事象プロファイルを収集し、
抗がん剤の⾄適投与量設定やプロトコール選択および有害事象のマネジメントをサポート
d

がん診療内容/臨床所⾒や医学的判断/副作⽤などの医療情報を、医療者の⼈の⼿で収集するのではなく
情報技術による半⾃動的収集⽅法に変更することによる、医療者の働き⽅改⾰への寄与