細胞分裂の仕組みに迫る
私たちは、細胞が分裂するという普遍的な現象に深い興味をよせ、その分子メカニズムを細胞レベルで調べています。具体的には、遺伝情報を担う「染色体」、そして染色体を動かす、微小管、中心体、動原体といった「分裂装置」を研究の対象としています。これらの構造物が、タンパク質の「リン酸化」及び「分解」という、分裂期を進める2つの生化学反応によって、いかに制御されているかを解析しています。私たちの研究は、がん生物学の発展に貢献するという使命がありますが、細胞分裂という普遍的な現象を主題としている故に、基礎生物学および他の生命科学に貢献するという側面も重要であると認識しています。
研究室では、一人一プロジェクトを担当しています。つまり、その課題の推進においては、初学者であっても各研究者が主導となり、自由な発想で、サイエンスを存分に楽しんでいただきたいと考えています。綿密なディスカッションは勿論大切ですが、実験をやっている本人がしっかりと考えているということが、最も大事なことだと感じています。私たちの研究室では、一人一人が独立したサイエンティストです。
そして、研究は、論文を発表するまでがひと単位。実験を完了した時点は、未だ折り返し地点でしかなく、論文にまとめあげるという行程を走り抜いてこそ完了します。実験をするのは楽しく愉快ですが、論文発表までは険しい道のりとなることが多々あるので、現実的にはなかなか厳しい目標です。それでも研究室の知力体力を総動員して、全メンバーに完走してもらいたい!と意気込んでいます。
細胞分裂といった古典的なテーマであるが故に、新しいことを見つけるのが難しいのでは?と言われることがありますが、実際には、分からないこと、不思議なことばかりです。細胞分裂は、あなたの好奇心を待っています。
実験病理部 部長 広田 亨

