
 「治療法が分からない」で
悲しむ患者さんを
一人でも
多く救える未来へ
原発不明がんは、ほとんどの患者さんで、かなり進行した段階で発見されます。しかも、確固たる治療法があるわけでもなく、発見と同時に“突然に余命宣告をつきつけられる” ような状態とも言えます。 私はこれまで、大勢の患者さんと共に、この闇に包まれた辛い病気と闘ってきました。しかし、原発不明がんは、難治がんの一つですがあまり注目されず、めざましい治療の進歩も認められていません。医師として、「治す選択肢」を示すことができないフラストレーションを常に抱えています。
                    どんなに辛い状況でも「治療法がわかる」ことが、多くの患者さんを前向きな表情へ変えることを知っています。だからこそ、この病気の謎を解き明かす研究を進め、今より少しでも患者さんの心と命が救われるような未来につなげたい。 それが臨床医としての私の使命と信じています。
                    
                    公益財団法人がん研究会 有明病院 副院長 / 総合腫瘍科部長
                    がんプレジション医療研究センター
                    がんゲノム医療開発プロジェクト
標的分子探索グループリーダー
                    髙橋 俊二
                
クラウドファンディングで
ご支援いただきました
        
研究プロジェクト概要
                このプロジェクトでは、今後2年間で、
当院の原発不明がんの患者さん50人分の
がん組織を用いて、
                すべての遺伝子を調べる
「全ゲノム解析」をはじめとした
マルチオミックス解析を行うことで、
                原発不明がんに共通する遺伝子変異や分子異常を
見つける研究に挑戦します。
            
- 
                     ▲病院部門と研究部門が協力して、 
 がんの個別化医療システム確立に努めている
- 
                     ▲がん研究を推進するゲノム解析機器 
- 
                     
- 
                     
                    また、なぜ原発巣が消え転移巣が残ったのか、その理由を詳細に追及するために、
                    原発不明がんにおけるがん細胞の免疫環境(免疫関連細胞の種類や特徴、その複雑性)を並行して研究し、
                    上述の研究で明らかになるがん細胞そのものの特徴と照合します。
                    将来的にこれら一連の研究プロジェクトがうまく進めば、効果的な治療にたどり着くための第一歩になると信じています。
                    真にがん患者さんに寄り添える治療法開発に向けて、この研究を進めてまいります。
                
実行者
                        ◆ がんプレジション医療研究センター
がんゲノム医療開発プロジェクト
                    
当プロジェクトは、国内随一の治療患者数を誇るがん研有明病院と緊密に連携して、がんのゲノム情報を実際の医療に有効に還元する先進的ながんゲノム医療を開発することを目指しています。具体的には、詳細な臨床情報が付随した良質な患者検体を基に、包括的ゲノム・エピゲノム解析により新規の分子標的探索を行なうとともに、併せて異種移植モデルや患者由来細胞株などのモデルシステムを構築し、「プレシジョン医療」を行うための基盤を開発します。

