ゲノムが細胞核という3次元空間でどのように制御され、それが発生や疾患にどう関わるか?
私たちは、2017年4月に発足した研究室です。ゲノムDNAを収納している細胞核内で起こる様々な事象が、どのように細胞のがん化に関わっているのかを研究するためにメンバーが集まりました。再発乳がんで強く発現するノンコーディングRNAエレノア、ヒストンの動態制御、機械学習を用いた画像解析アルゴリズムwndchrmを主軸に、クロマチン・細胞核構造のがん制御への寄与を明らかにし、創薬研究や、新たな診断法の確立に貢献することを目的として研究を行っています。
生命科学研究には様々な面があります。新たな普遍的真理を追究することは、多くの科学者の目的かと思いますが、新しいことを探そうとやっきになっても簡単にはいかず、むしろ、みながやっているような研究を愚直に丁寧に重ねることで思わぬ発見に直面することもあります。また、世の中にすぐには役に立たないような、重要性がわかりにくい基礎研究が、時を経て分野を一新するような役割を果たすこともあります。一方で、最も重要なクエスチョンを掲げ、集中して結果を得ることは、大切な戦略でもあります。
このように決して正攻法が存在しない生命科学研究において、私たちは、信念と柔軟性を持って、日々の研究でどんな小さなことも楽しいと感じられ、まわりと議論を重ねることで、みなが成長できる研究室でありたいと考えています。