「安全でよく効くがん治療薬」を目標に

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ALK融合遺伝子陽性肺がんに対する薬剤耐性克服薬の発見
〜第3世代ALK阻害薬耐性の克服を目指す〜

公益財団法人がん研究会がん化学療法センター・基礎研究部(片山量平部長)は、あらゆるALK阻害薬に耐性を示すI1171N+F1174I及びI1171N+L1198H重複変異体が、急性骨髄性白血病に対する既承認薬のギルテリチニブ(ゾスパタ®)に感受性を示すことを発見しました。ギルテリチニブはALKを直接阻害し、様々な既存のALK阻害薬耐性変異体にも高い阻害活性を有することを発見しました。また、ALKの様に低頻度ながら肺がんにおいて融合遺伝子形成により強力ながん遺伝子として働いているROS1やNTRK1の融合遺伝子陽性がんに対しても、ギルテリチニブは高い抗腫瘍効果を示すことを明らかにしました。この成果は、Nature Publishing Groupのオープンアクセス誌Nature Communicationsに、2021年2月24日に公開されました。本研究成果により、新たなALK阻害薬耐性機構と新規耐性克服法候補が示され、更なる治療法開発の可能性が示されました。詳細

ALKにギルテリチニブが結合している様子の予測モデル
ALKにギルテリチニブが結合している様子の予測モデル

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部門紹介

基礎研究部

がん分子標的治療薬の開発を目指して、がん転移機構やシグナル伝達機構の解析と阻害剤開発を進めています。

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分子薬理部

独自の基盤情報システムを活用し、新しい分子標的抗がん剤を創薬します。

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分子生物治療研究部

がん細胞のテロメア制御・不老不死・幹細胞性の分子基盤を明らかにし、創薬シーズの創出を目指します。

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ゲノム研究部

ゲノム科学を活用した分子標的治療研究を展開し、革新的治療薬の開発と個別化医療の実現を目指します。

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臨床部

臨床部は、臨床も兼任している医師も参加して、がん細胞のイメージング、分子生物学的研究をしています。

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