がん研セミナー（特集：がんの免疫療法）のお知らせ

I. 制御性T細胞を標的とした新規がん免疫療法

演者：西川 博嘉　博士（大阪大学免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学）

要旨：CD4+制御性T細胞（Tregs）は、抗腫瘍免疫応答を抑制し、がん増殖に関わっている。効果的ながん免疫療法を確立するにはTregsコントロールが極めて重要な課題である。Tregsのマスター転写因子であるFOXP3分子とCD45RAの発現レベルによりCD4+FOXP3+細胞を3つに分類することで、厳密にTregsを定義することが可能となった。本ヒトTregs新規分類法により、悪性黒色腫を解析したところ、腫瘍局所に浸潤しているTregsは、活性化型を示し、ケモカインレセプター4(CCR4)を強発現していた。腫瘍浸潤Tregsの特徴とそれらを標的としたがん免疫療法の可能性を議論したい。

II. Harnessing the immune system via checkpoint inhibitors for the treatment for non-small cell lung cancer

演者：Dr. Julie Brahmer（Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins, USA）

要旨：Over the last several years, new therapeutic targets have emerged in immunotherapy, particularly the immune checkpoint pathways. Blocking inhibitory pathways via monoclonal antibodies has the ability to break down the shield that tumors co-opt for their defense. These therapies alone or in combination may hold the key to making immunotherapy a reality in the treatment of lung cancer.

日時：2014年2月10日（月） 16:00〜17:30

場所：吉田講堂

連絡先：清宮啓之 （内線5491）

＊外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、 医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。