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【がん研セミナー / 第11回臨床研究セミナーのお知らせ「がんのエピジェネティクス研究:臨床応用はどこまで進んだか」近藤豊博士(名古屋市立大学大学院医学研究科 分子医学研究所 遺伝子制御学・教授)】

2014年05月12日

がん研セミナー / 第11回臨床研究セミナーのお知らせ

 

演題:がんのエピジェネティクス研究:臨床応用はどこまで進んだか

演者:近藤豊博士(名古屋市立大学大学院医学研究科 分子医学研究所 遺伝子制御学・教授)

 

抄録:

エピゲノム異常はほとんどすべてのがん細胞に存在し、新しい診断および治療標的としての有用性が期待されている。実際に血液腫瘍では脱メチル化剤やヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤等の治療薬が一定の効果を示しており、がん治療の新たな選択肢としてエピゲノム治療薬の開発が世界規模で進んでいる。

エピゲノム異常は細胞分化・増殖の制御異常を介して発がんを誘導するだけでなく、その“可塑性”を介してダイナミックに細胞の性格を変化させ、悪性度の高いがんとしての形質を獲得する過程に寄与していると考えられる。すなわち、がん細胞が環境に応じて生き延びる可塑性を抑え込むことは有効ながん治療戦略につながると考える。

私たちの研究室ではがん幹細胞をモデルとして、がん細胞の可塑性とエピゲノムについて研究を進めてきた。特に非翻訳RNAとヒストン修飾とのエピゲノム・ネットワークが、周囲環境に応じてがんの性格を変化させ維持・増殖に関わることを見出した。このようながん細胞が環境に応じて生き延びる“可塑性”を抑え込むことができれば高い治療効果が期待できると考える。がんに特異的なエピゲノム異常を"早期"に"確実"に捉えて診断に活用し、エピゲノム治療薬でがんの急所を抑える新たながん治療戦略の開発が今後期待される。本セミナーではがんエピジェネティクス研究とその臨床応用について最近のトピックスを交えてお話しします。

 

日時:2014年6月9日(月) 18:00〜19:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:野田 哲生(内線5231)

 

*本セミナーは臨床研究セミナーと共同で開催いたします。臨床応用を目指した最先端の医学研究活動の講演です。貴重で有益なお話ですので、外部の皆様も奮ってご来聴下さい。

尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

 

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