ゲノムセンター

がんプレシジョン医療研究センター

最終更新日 : 2025年4月23日

がんプレシジョン医療研究センター所長 メッセージ

がん組織や血液のゲノム解析や、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなどのマルチオミックス解析技術が急速に進歩し、プレシジョン医療(精密医療)のがん診療への応用が急速に進んでいます。

がんプレシジョン医療研究センター(CPMセンター)は、腫瘍組織や血液による先端的なゲノム・マルチオミックス解析などによって患者さん一人一人にあった有効かつ副作用の少ない薬剤や放射線治療を選択するシステムの確立を目指して開設されました。2025年度から「がんゲノミクス研究部」、「分析生化学研究部」、「免疫ゲノム医療研究部」の3部と「がん免疫制御プロジェクト」に組織改編し、全ゲノム解析や先端的プロテオーム解析などによる新しい診断法の開発や腫瘍周囲微小環境を含む免疫ゲノム解析などに基づいた新しい個別化治療開発研究を病院本部や他のアカデミア研究機関、関連企業等との連携で展開し、得られた成果を早期診断法や治療効果予測バイオマーカーの開発などを通して実臨床への導入を進めています。

昨今の解析技術の世界的な進歩は目覚ましく、腫瘍組織や周囲微小環境での間質や免疫細胞との応答など詳細な解析データの取得とその可視化が進み、実用化を進めるためにAI技術も各所で導入されています。創薬技術の進歩で新しいバイオ医薬品の開発が急速に進み、それに伴ってプレシジョン医療研究のアプローチもゲノムからマルチオミックスへとシフトしつつありますが、研究を進める上では何よりも臨床検体と質の高い臨床情報が重要であり、「がんゲノム医療中核拠点」として高いレベルでがんプレシジョン医療を展開している病院本部との連携が欠かせません。患者さんへの最適ながん医療の提供と新しいプレシジョン医療の確立に向け国際的な視点で研究を展開してまいります。関係の皆様のご指導、ご支援を心よりお願い申し上げます。

がんプレシジョン医療研究センター所長 大津敦

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