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分泌型PD-L1バリアントを介した免疫チェックポイント阻害薬耐性機序の発見

【概要】

公益財団法人がん研究会がん化学療法センター・基礎研究部(片山量平 部長・キョウハク特任研究員)は、免疫チェックポイント阻害薬の一つである抗PD-L1抗体薬の治療耐性機構としてがん細胞が異常なRNAスプライシングにより分泌型PD-L1バリアントを産生することを発見しました。これら分泌型PD-L1バリアントが抗PD-L1抗体薬の活性を競合的に中和し、細胞障害性T細胞の再活性化を抑制することを証明しました。また、実験動物を用いたin vivoモデルにおいて、分泌型PD-L1バリアントを発現する細胞が、がん全体のわずか1%の頻度で存在するだけで、分泌型PD-L1が腫瘍組織内および生体内に蓄積され、抗PD-L1抗体薬の治療耐性を誘導することを示しました。さらに上記に加え、抗PD-1抗体薬が分泌型PD-L1バリアントによる治療耐性を克服できる可能性を示すことにも成功しました。この成果は、ロックフェラー大学出版がサポートする米国科学誌Journal of Experimental Medicine誌に、2019年3月14日に公開されました。本研究成果により、抗PD-L1 抗体薬の新たな治療耐性機構として分泌型PD-L1バリアントの存在並びにその耐性克服法候補が示され、分子メカニズムに合わせた更なる免疫チェックポイント療法開発の可能性が示されました。詳細

図:分泌型PD-L1バリアントは抗PD-L1抗体の治療耐性に寄与する
図:分泌型PD-L1バリアントは抗PD-L1抗体の治療耐性に寄与する

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