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【がん研セミナー(2月9日)のお知らせ「FRETイメージングを用いた分子標的薬における癌細胞の内因的抗性の定量解析」青木 一洋 博士(京都大学大学院医学研究科 生命動態システム科学推進拠点事業 時空間情報イメージング拠点)】

2015年01月09日

がん研セミナー(2月9日)のお知らせ

 

演題:FRETイメージングを用いた分子標的薬における癌細胞の内因的抗性の定量解析

 

演者:青木 一洋 博士(京都大学大学院医学研究科 生命動態システム科学推進拠点事業 時空間情報イメージング拠点)

 

日時:2015 29日(月)15:00-16:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:中村卓郎(内線5391

 

抄録: 

細胞は外界からの種々の刺激を細胞膜上の受容体で感知し、そのシグナルを細胞内の分子へと伝えることで細胞機能の恒常性を維持しており、この分子ネットワークは細胞内情報伝達系と呼ばれている。細胞内情報伝達系の破綻は悪性腫瘍や自己免疫疾患などの病態につながる。細胞内シグナル伝達は、極論すると、生体物質の物理化学的な法則に従った拡散や化学反応の連鎖であり、微分方程式でシグナル伝達系をモデル化し、要素間の反応や拡散等のパラメーターを与えることで、細胞内シグナル伝達系をコンピューター上で数値計算することが理論上可能である。これまでにも細胞内情報伝達系をコンピューター上でシミュレートする試みがなされてきた。しかしながら、多くのモデルでは実験結果に合うように反応パラメーターをフィッティングによって決めていたために、同じ細胞内情報伝達系(例えば、EGF-Ras-ERK経路)を扱っているにもかかわらず、違う結果を導き出すということが散見された。また、細胞内情報伝達系と表現型(細胞増殖や細胞死など)との関連についても、シミュレーションで予測できているとは言えない状況であり、これが薬剤の応答性をコンピューター上で予測することへの妨げとなっている。このような問題に対し、私達は、細胞内情報伝達系に含まれる反応パラメーターを自分たちの手で取得し、それを基に定量的なシミュレーションモデルを構築すること、さらにイメージングにより細胞内情報伝達系を可視化し表現型との関係を定量的に記述すること、の2点を目的として研究を行ってきた。本発表では、これらのトピックについて最近の知見を紹介させていただく。

 

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、

医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

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