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がん研セミナー(4月30日)のお知らせ

2026年01月07日

演題:免疫関連有害事象(irAE)の奥深い病態とその臨床的意義

演者:川上 尚人 博士

   (東北大学大学院・医学系研究科 臨床腫瘍学分野 教授)

 

抄録:

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場は、がん治療の在り方を大きく変えただけでなく、これまで臨床的に断片的にしか捉えられなかった自己免疫現象を、因果関係の明確な形で可視化した。免疫関連有害事象(irAE)は単なる副作用ではなく、「免疫を解除する」という明確な治療介入によって誘発される医原性自己免疫疾患であり、免疫寛容破綻の過程を実臨床で観察できる稀有なモデルである。腫瘍内科医は、がん専門医であると同時に、治療介入後に生じる生体反応を全身レベルで評価する内科医でもある。内科医として全身を診る視点を持つからこそ、irAEは偶発事象ではなく解釈すべき現象として立ち現れる。本講演では、抗生剤使用・腸内細菌叢とirAEの関係、irAE胆管炎の全国調査、irAE腸炎と潰瘍性大腸炎(UC)との比較を通じて、がん治療という明確な介入点を手がかりに自己免疫疾患の病態を読み解く可能性を示す。irAE研究は、がん治療のパラダイムシフトであると同時に、非がん自己免疫疾患の免疫病態理解を更新し得る重要な局面にある。

 

日 時:2026年 4月 30日(木) 18:00〜19:00

場 所:吉田記念講堂

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