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【開催形式変更】がん研セミナー(4月6日)のお知らせ「細胞老化とミトコンドリア代謝」山内 翔太 博士(東京大学大学院 薬学系研究科 細胞情報学教室)

2023年03月06日

がん研セミナー(4月6日)のお知らせ

演題:細胞老化とミトコンドリア代謝

演者:山内 翔太 博士(東京大学大学院 薬学系研究科 細胞情報学教室)

抄録:
細胞老化は、ストレスによって引き起こされる不可逆的な細胞周期停止であり、腫瘍の抑制や個体の老化に関与することが広く知られている。テロメアの短縮や癌遺伝子の活性化など、多くのストレスは、核DNAを損傷することにより細胞老化を誘導する。しかし、DNA損傷と細胞老化を結びつけるメカニズムには、未だ不明な点が多い。我々は、ミトコンドリアへのDNA損傷応答(DDR)シグナルが、脂肪酸酸化(脂肪酸からのアセチルCoAの産生)を活性化することにより、老化を促進することを明らかにした。ゲノムワイドsiRNAスクリーニングにより、ミトコンドリア外膜貫通タンパク質BNIP3が老化誘導に関与していることがわかった。BNIP3と相互作用するタンパク質を質量分析により網羅的に同定したところ、DDRキナーゼATMとmitochondrial contact site and cristae organizing system(MICOS)複合体のサブユニットが得られた。BNIP3はATMの基質であり、ミトコンドリアのクリステの数を増加させることがわかった。このクリステ数の増加は、ミトコンドリアの脂肪酸酸化を活性化し、それによってヒストンのアセチル化とそれに伴うサイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16INK4aの発現を促進する。薬剤による脂肪酸酸化の持続的な活性化は、in vitroとin vivoの両方で細胞老化を誘導するのに十分であった。以上の結果から、細胞老化の誘導には、ミトコンドリア代謝のリプログラミングが重要であると考えられる。

日時:2023年4月6日(木) 16:00開始

場所:吉田講堂

【ご注意下さい】ハイブリッド形式開催から「吉田講堂」のみでの開催に変更となりました。

 

連絡先:高橋 暁子

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