新着情報

印刷

  • HOME
  • 新着情報
  • 【第21回先端研究セミナーのお知らせ「DNA複製と相同組換えの交差点:普段は見えない隠れたDNA合成について」鐘巻将人博士(国立遺伝学研究所 新分野創造センター 分子機能研究室)】

新着情報

【第21回先端研究セミナーのお知らせ「DNA複製と相同組換えの交差点:普段は見えない隠れたDNA合成について」鐘巻将人博士(国立遺伝学研究所 新分野創造センター 分子機能研究室)】

2014年01月29日

第21回先端研究セミナー

 

論題:DNA複製と相同組換えの交差点:普段は見えない隠れたDNA合成について

 

演者:鐘巻将人博士(国立遺伝学研究所 新分野創造センター 分子機能研究室)

 

抄録:ゲノムDNAは細胞周期制御機構に制御されてS期に複製されます。その際、染色体上に多数存在する複製開始点より複製フォークが作り出され、ゲノムDNAを一回だけ複製します。このDNA複製メカニズムの中心的な役割を担っているのは高度に保存された六量体DNAヘリカーゼMcm2-7です。Mcm2-7はM期後期からG1期の間にのみ複製開始点に結合し、S期においてS-CDKと多数の複製因子の機能によりヘリカーゼとして活性化されることで、複製フォークの先端でDNAを巻き戻します。興味深いことに、多くの真核生物はMcm2-7と同じ祖先因子から進化したMcm8とMcm9を保持していますが、その機能はこれまで良く分かっていませんでした。そこで、私たちはMcm8とMcm9に注目し、DT40細胞遺伝学を利用して機能解析を進めました。その結果、これらは細胞内で新たな六量体を形成しており、抗がん剤として知られているシスプラチンやマイトマイシンCが作り出すDNA二本鎖間架橋の修復時に機能する相同組換えに関与していることを明らかにしました(Nishimura et al. Molecular Cell, 2012)。近年、私たちはニワトリDT40細胞だけでなくCRISPR-CAS法を利用してヒト細胞でもMcm8とMcm9の解析を進めています。これまで得られた結果は、Mcm8-9が相同組換えにおけるDNA合成を促進する機能を持つことを支持しています。Mcm8-9の解析から見えてきた、DNA二本鎖間架橋修復に関与する相同組換えの新たなモデルを提示するとともに、DNA複製と組換え依存的DNA合成の関連性に関して議論したいと思います。

 

日時:2014年2月28日(金) 15:00〜16:00

 

場所:研究所3階セミナー室A(315)

 

連絡先:原 英二(内線5351)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、 医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

このページのTOPへ