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【先端研究セミナー(11月6日)のお知らせ「FAN1ヌクレアーゼによる架橋塩基の除去機構 」高橋 大介 博士(早稲田大学大学院 先進理工学研究科)】

2015年10月07日

先端研究セミナー(11月6日)のお知らせ

 

演題:FAN1ヌクレアーゼによる架橋塩基の除去機構

 

演者:高橋  大介 博士(早稲田大学大学院 先進理工学研究科)

 

抄録:NAの相補鎖間が共有結合で架橋されるDNA鎖間架橋(ICL)は、DNA損傷の中でも特に細胞毒性が強いことが示されている。Fanconi貧血(FA)は、このICLに対して極めて高い感受性を示す劣性遺伝性疾患である。現在までに、FA原因遺伝子は19種類同定されており、その遺伝子産物は、同一のICL修復経路で協同的に機能していると考えられている。ICL修復経路の活性化は、DNA複製装置がICLに衝突し、停止することで起こる。まず7個のFA原因遺伝子産物と2個の相互作用因子で構成されるFAコア複合体がICL部位に集積する。続いて、FANCI-FANCD2(ID)複合体がICL部位へ集積し、FAコア複合体中のFANCLによってID複合体の両サブユニットがモノユビキチン化され、それを目印にしてヌクレアーゼが呼び込まれる。最終的には、架橋塩基がヌクレアーゼによって切り出されることで、ICLが修復される。Fanconi-associated nuclease 1(FAN1)は、架橋塩基切り出しへの関与が近年新たに示唆されたヌクレアーゼである。FAN1は、損傷部でFANCD2と高頻度で共局在し、ICL修復に関わるヌクレアーゼの中で最も強くFANCD2に結合する。FAN1の不活性化細胞は、DNA鎖間架橋剤に対し高感受性を示し、染色体の断裂や連結といった染色体異常が高い頻度で観察されることから、FAN1による架橋塩基切り出し機構との関連が考えられる。我々はFAN1の機能を明らかにするため、FAN1タンパク質精製系を確立し、生化学的解析を行った。精製したFAN1は、修復過程で見られる5´-flap 構造のDNA基質に対し、特異的なエンドヌクレアーゼ活性を示した。また、細胞内では、5´-flap DNA構造の単鎖領域は、直ちにRPAの結合を受けることが明らかになっているが、FAN1は、RPAが結合した 5´-flap DNA に対しても効率的にヌクレアーゼ活性を示すことが可能であることを明らかにした。さらに、FAN1による5´-flap DNAの認識は、自身が持つSAPドメインで行われていることを示した。本セミナーでは、これまでに得られた知見を基に、ICL修復におけるFAN1の機能を議論したい。

 

日時:2015年11月6日(金) 12:30〜13:30

 

場所:研究所 1階セミナー室B

 

連絡先:広田亨 (内線5251)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

 

 

 

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