【がん研セミナー(11月6日)のお知らせ「肺がんの分子標的薬耐性への挑戦」矢野 聖二 博士(金沢大学 がん進展制御研究所 腫瘍内科)】
2019年10月03日
がん研セミナー(11月6日)のお知らせ
演題:肺がんの分子標的薬耐性への挑戦
演者:矢野 聖二 博士(金沢大学 がん進展制御研究所 腫瘍内科)
抄録:肺がんには、EGFR変異やALK融合遺伝子などのドライバー遺伝子異常に有効な分子標的薬が臨床導入されています。分子標的薬は、奏効率が高いものの多くの症例が獲得耐性により再発することや一部の症例に初期耐性が見られ、根治できないことが問題になっています。近年、分子標的薬が奏効しても一部の細胞が分子標的薬暴露に適応し抵抗性細胞 (drug tolerant cells : DT細胞) として生存し、その後増殖能をさらに得て増大する獲得耐性腫瘍の温床となることが注目されています。我々は、第三世代EGFR-チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) オシメルチニブに暴露されたEGFR変異肺がん細胞において、TK型受容体AXLを高発現する一部の集団がAXLからの生存シグナルによりDT細胞化することや、オシメルチニブにAXL阻害薬を併用することでDT細胞化を防ぎ死滅させられることを明らかにしました (Taniguchi H, et al., Nat Commun. 2019;10:259.) 。本講演では、DT細胞の形成阻害の戦略や中枢神経系病変の分子標的薬耐性機構についても紹介させていただきます。
日時:2019年11月6日(水) 18:00〜19:00
場所:吉田記念講堂
連絡先:高木 聡(内線5713)
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。