がん化学療法センターは、「今後のがん治療の最終目標は化学療法である。制がん剤を速やかに開発すべく、日米科学協力計画のもと、基礎部門と臨床部門との有機的連携による研究開発体制の構築とこの事業の発展を進める必要がある。」との当時のがん研究所所長であった吉田富三先生の強い信念がもとになり設立された。がん化学療法センターには当初、基礎部門と臨床部門の有機的な連携を図るために、それぞれを担当する基礎研究部と臨床部が設置されると同時に、日米間の制がん剤開発に関する情報交換を担当する事務局として日米制癌剤情報室が設置された。1973年に設置された臨床部は、基礎研究部と並ぶがん化学療法センターの中で最も古くに設立された研究部となっている。臨床部の設置は、がん化学療法センターの設立に当たって基本的な条件とされていた。それは、新しく開発された抗癌剤の造血器腫瘍、その他固形腫瘍を用いた臨床研究とともに、得られた知見から基礎研究へ重要な問題の還元が期待されていたためである。またこれらの研究を実施するためには、臨床化学療法のための病棟をもつことが望ましいとされた。そこで1973年6月にがん化学療法センター臨床部が診療所として新設され、1973年7月より外来診療が開始された。1977年6月になってがん研付属病院にがん化学療法研究・診療棟が建設され、このなかに化学療法科が新設されることになり、この時点をもって臨床部の医師は化学療法科とがん化学療法センターを兼務することとなり、設立当初に期待された臨床研究の形態が完成することになる。その後、歴代の部長のもとで、新規薬剤の開発や細胞死、細胞療法などの臨床研究の基礎となる研究を継続しており、病院部門と協力しながらTranslational Research につながる研究を広く行っています。
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