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【開催形式変更】がん研セミナー(4月10日)のお知らせ「Hippo経路が紡ぐがん微小環境の細胞間コミュニケーション」諸石 寿郎 博士(熊本大学大学院生命科学研究部(医学部)分子薬理学講座 教授)

2023年03月06日

がん研セミナー(4月10日)のお知らせ演題:Hippo経路が紡ぐがん微小環境の細胞間コミュニケーション演者:諸石 寿郎 博士(熊本大学大学院生命科学研究部(医学部)分子薬理学講座 教授)抄録:がん細胞は刻一刻と変化する細胞外環境に適応しながら増殖し、微小環境の中で様々な細胞と相互作用しながら成長していく。細胞が感知する情報は栄養状態、酸素濃度、メカノシグナルなど多岐にわたるが、Hippo経路は様々なシグナル伝達経路と相互作用することでこれらの情報を統合し、細胞増殖・分化・死などの細胞運命の決定に重要な役割を担う細胞内シグナル伝達経路として知られている。特に、細胞におけるHippo経路の阻害は細胞増殖を亢進させることから、Hippo経路はヒトにおいて“がん抑制経路”として働いているのではないかと考えられてきた。しかし、実際のヒトのがんにおいてHippo経路の遺伝子変異はまれで、また、最近の研究ではHippo経路のがん促進的な一面が明らかになるなど、がんの生物学におけるHippo経路の役割は細胞種や状況によって個々に理解されるべき複雑なものへと変化している。われわれは、これまでの研究においてがんの進展におけるHippo経路の役割を検討し、がん細胞におけるHippo経路が細胞の悪性形質転換や宿主の抗腫瘍免疫応答の誘導、鉄依存性細胞死フェロトーシスに対する耐性獲得など、がん微小環境を取り巻く細胞間の様々なコミュニケーションに関与することを見出した。本セミナーでは、これまでの研究で明らかになったHippo経路の機能と制御機構について概説し、われわれの研究をもとに、がんの発生や腫瘍免疫におけるHippo経路の役割に関して議論を深めたい。

 

日時:2023年4月10日(月) 16:00

 

開催場所:吉田講堂

【ご注意下さい】ハイブリッド形式開催から「吉田講堂」のみでの開催に変更となりました。

 

連絡先:高橋 暁子

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