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がん研セミナー(10月23日)のお知らせ
2024年09月11日
演題:hTERTのRNA依存性RNAポリメラーゼ活性によるR-loop制御機構
R-loop regulation by RNA-dependent RNA polymerase activity of hTERT
演者: 町谷 充洋 博士
(国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野 ユニット長)
抄録:
テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)は、その逆転写酵素活性によるテロメア伸長機能を示すが、我々は、リン酸化されたhTERTが、テロメラーゼ活性ではなく、そのRNA依存性RNAポリメラーゼ活性(RdRP活性)によって、がん細胞でRNAを合成し、造腫瘍に寄与することを明らかにしてきた。さらに、その分子機序に関して解析を続けたところ、最近、RNAプロセシングに関わる核内構造体である核スペックルに相分離されたhTERTが、ゲノム内に形成されるRNA/DNAハイブリッド(R-loop構造)に対してRdRP活性を示し、それがR-loop構造解消につながることを明らかにした。また、このhTERTによるR-loop制御機構は、テロメラーゼ活性に依存しない肉腫のような非上皮系悪性腫瘍にも存在することが示された(Machitani et al. Nat Cell Biol. 2024)。本セミナーでは、これらの結果を紹介するとともに、hTERT-RdRP活性の新規治療標的としての有用性に関して、最新データを交えて議論したい。
日 時:2024年 10月 23日(水) 16:00〜17:00
場 所:吉田記念講堂