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がん研先端研究セミナー(6月17日)のお知らせ
2026年04月07日
演題:リガンド依存的Wntシグナルが制御する胃がん転移ニッチの形成機構
Ligand-dependent Wnt signaling drives metastatic niche formation in gastric cancer
演者:大島 浩子 博士
(金沢大学 がん進展制御研究所 腫瘍遺伝学研究分野 准教授)
抄録:
外因性リガンドによって活性化されるWntシグナルは、胃がんの発生に関与することが示唆されているが、その転移における役割は十分には解明されていない。本研究では、胃粘膜上皮で、Kras、Tgfbr2、およびp53に変異を有するKTPマウス、およびこれに加えてWnt1を発現するWKTPマウスから胃上皮由来オルガノイドを樹立した。それらのオルガノイドを脾臓に移植したところ、WKTP細胞は線維性微小環境を伴う肝転移を形成したのに対し、KTPオルガノイドは転移を示さなかった。空間トランスクリプトーム解析により、転移ニッチにおけるWntシグナルがHas2の発現を上昇させ、TGFbシグナルと協調して、間質におけるヒアルロン酸の蓄積を誘導することが明らかとなった。さらに、WKTP細胞にヒアルロニダーゼを強制発現させると転移能が消失したことから、ヒアルロン酸が肝転移において機能的に重要であると考えられた。
以上の結果から、リガンド依存的なWntシグナルによって形成されるヒアルロン酸豊富な間質が、胃がんの転移形成に重要な役割を果たすことが示され、新たな治療標的となる可能性が示唆された。本セミナーでは、転移過程における微小環境形成の重要性について考察する。
日 時:2026年 6月 17日(水) 17:00〜18:00
場 所:がん研究所1階 セミナー室A










