新着情報

印刷

新着情報

がん研先端研究セミナー(7月28日)のお知らせ

2026年07月10日

演題:
細胞内鉄代謝を再考する-鉄動態が拓く新たな細胞生物学-
-Rethinking Intracellular Iron Metabolism: A Spatial Perspective on Cellular Iron Dynamics

演者:
簗取 いずみ 博士
(京都大学医学研究科細胞機能制御学 講師)
 
抄録:
鉄は生命維持に必須の元素である一方、その恒常性の破綻は酸化ストレス、細胞死、炎症、さらには加齢関連疾患など、多様な病態の形成に深く関与している。これまで鉄代謝研究は、細胞内鉄量や全身の鉄恒常性を中心に発展してきた。しかし近年では、鉄の「量」だけではなく、「細胞内のどこに存在し、どのように移動するのか」という細胞内鉄動態に着目することの重要性が明らかになりつつある。
本講演では、まず鉄輸送や鉄恒常性維持の基本的な仕組みを概説するとともに、フェロトーシスをはじめとする鉄依存的な生命現象について紹介する。続いて、細胞内鉄代謝に関わる分子機構を概説するとともに、鉄の細胞内動態やオルガネラ間での再分配という視点から、鉄代謝を改めて捉え直すことの重要性について、これまでの研究成果を交えながら紹介する。
さらに近年取り組んでいる細胞老化研究では、鉄がリソソームへと再分配されることにより、老化表現型やフェロトーシス感受性が変化することを見出した。本講演では、この知見を一例として、細胞内鉄動態という新たな視点から鉄代謝を理解することが、老化をはじめとする様々な生命現象や疾患の理解につながる可能性について議論したい。
 
日 時:2026年 7月 28日(火) 16:00〜17:00
場 所:がん研究所1階 セミナー室B

このページのTOPへ