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【がん研セミナー(4月22日)のお知らせ「CCR4抗体;トランスレーショナルリサーチからリバーストランスレーションへ」石田 高司 博士(名古屋市立大学大学院医学研究科 輸血部/腫瘍免疫内科学 准教授)】
2013年04月03日
がん研セミナー(4月22日)のお知らせ
演題:CCR4抗体;トランスレーショナルリサーチからリバーストランスレーションへ
演者:石田 高司 博士
名古屋市立大学大学院医学研究科 輸血部/腫瘍免疫内科学 准教授
抄録:
ヒト化CCR4抗体(KW-0761、ポテリジオ®)は、世界に先駆け日本で薬品製造販売承認を取得した抗体医薬品である。本剤はCCR4を標的とし、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性により抗腫瘍効果を示す。また、ADCC 活性を高める技術であるPOTELLIGENT®(= 抗体Fc部位糖鎖のフコース除去)を用いた世界初の抗体医薬品である。抗腫瘍薬領域でドラッグラグという言葉を聞くようになって久しい。日本のがん診療、がん研究に携わるものの多くが、ドラッグラグを解消し、日本発がんの新薬を世界に発したいと考えているが、その実現は困難を極めている。そのような背景のなか、本剤は、first in cancer patient が日本で実施された唯一無二のがん抗体医薬品である。
演者は本剤開発に、もっとも初期の基礎研究から治験フェーズまで、中心的に関与した。本剤は従来の抗腫瘍薬剤と異なり、日本から正確なエビデンスを世界に発信していく責務を有する。その理念に基づき本剤発売と同時に多施設共同の前向き臨床試験「ATLに対するCCR4抗体治療中の免疫モニタリング」(UMIN000008696) を開始した。また、本剤のTreg除去による抗腫瘍免疫賦活作用に着目し、広く固形がんを対象として本剤の治験「進行又は再発固形がん患者に対するCCR4抗体の第Ia/Ib相多施設共同医師主導治験」(UMIN000010050)を開始、すでに患者登録が進んでいる。
講演会当日はCCR4抗体の基盤的研究データに加え、上記の経験を踏まえ、新規抗腫瘍薬剤のトランスレーショナルリサーチおよびリバーストランスレーショナルリサーチについて議論を深めたい。
(※本セミナーは臨床研究セミナーと共同で開催いたします。)
日時:2013年 4月22日(月) 18:00〜19:00
場所:吉田講堂
連絡先:野田哲生(内線:5231)
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。