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【第17回先端研究セミナー(12月12日)のお知らせ「ゲノム維持に必須な紡錘体チェックポイントへのあらたな知見」伊澤 大介 博士(ケンブリッジ大学ゴードン研究所Jon Pines研究室)】
2013年11月05日
第17回先端研究セミナーのお知らせ
演題:ゲノム維持に必須な紡錘体チェックポイントへのあらたな知見
演者:伊澤 大介 博士(ケンブリッジ大学ゴードン研究所Jon Pines研究室)
抄録: 紡錘体チェックポイント(Spindle Assembly Checkpoint: SAC)は細胞分裂の際に均等な染色体分裂を保障するための細胞の監視機構である。 SACは紡錘体に結合していない動原体で活性化し、染色体分配を遅延させるシグナルを発することにおより染色体の不均等分配を阻止する役割を持つ。SACが活性化している動原体では、SACタンパク質のMad2、BubR1/Bub3とCdc20からなるMCC(Mitotic Checkpoint Complex)の形成が促進される。Cdc20は染色体分配を促進するAPC/C(後期促進因子)の活性化因子であるが、MCC内でMad2とBubR1に直接的に結合することにより阻害されると考えられている。しかし、MCCの阻害効果がどのように細胞全体に影響を及ぼし、染色体分裂を遅延させるかは不明である。本研究では、Cdc20とMad2をヒト細胞内で強制的にリンクさせる手法を用い、SACの活性がヒト細胞の中でどのように変化するか解析した結果や、複合体として精製したヒトMCC(rMCC)の生化学的解析結果を紹介する。それらの結果は、MCCが複合体に含まれるCdc20だけでなく、遊離型のCdc20にも作用し活性を阻害する事を示唆し、未結合動原体で活性化したSACがどのように細胞全体のCdc20を阻害するかついて新たな知見を与える。参考文献 (1) Mad2 and the APC/C compete for the same site on Cdc20 to ensure proper chromosome segregation. Izawa D, Pines J. J Cell Biol. 2012 (2) How APC/C-Cdc20 changes its substrate specificity in mitosis. Izawa D, Pines J. Nat Cell Biol. 2011
日時:2013年12月12日(木) 15:00〜16:00
場所:研究所1階セミナー室B
連絡先:広田 亨
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、 医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。