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【がん研セミナー(3月23日)のお知らせ 「ゲノム解析の結果みえてきた食道扁平上皮癌の特徴」澤田 元太 先生(堺市立総合医療センター外科 副医長)】

2017年03月01日

がん研セミナー(3月23日)のお知らせ

 

演題:ゲノム解析の結果みえてきた食道扁平上皮癌の特徴

 

演者:澤田 元太 先生(堺市立総合医療センター外科 副医長)

 

抄録:

 次世代シークエンサーが登場し全塩基配列の解読を比較的容易に行えるようになった結果、網羅的な遺伝子解析が急速に進んでいる。特にTCGAやICGCといった国際的なゲノム研究プロジェクトが様々な癌種に対し数百人単位でのゲノム解析を推進しており、癌ゲノム異常の多くが解き明かされている。一方で、食道扁平上皮癌に対する網羅的な遺伝子解析は近年まで報告が少なかった。

我々は144例の食道扁平癌を対象に全エキソン解析とSNPアレイを用いた染色体数解析を行い、食道扁平癌において重要な遺伝子変異(Significantly Mutated Genes:SMGs)や様々な染色体異常を同定することができた。それら異常の中にはZNF750、AJUBAといったこれまで報告の少なかった遺伝子変異や、低頻度ではあるが治療標的となりえるEGFRやERBB2の染色体数異常が含まれていた。またSMGsとヘテロ接合性の消失(Loss of heterozygosity)との関連を解析した結果、約90%の食道癌扁平症例においてTP53にbiallelicなゲノム異常が起っていることが判明した。今回のセミナーではこれらの結果の報告に加え、中国での食道扁平癌研究や他癌種でのゲノム研究の結果との比較を行うことにより見えてきた食道扁平上皮癌の特徴についてご紹介させていただく。

 

日時:2017年3月23日(木)18:00〜19:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:野田 哲生(内線5231)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

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