新着情報

印刷

新着情報

【受賞報告】竹内賢吾がん研究所所長補佐が令和2年度高松宮妃癌研究基金学術賞を受賞しました

2021年03月10日

令和2年度の同基金の学術賞を、竹内賢吾がん研究所所長補佐・病理部長兼病院臨床病理センター長が受賞されました。

【受賞者】竹内 賢吾(がん研究所所長補佐・病理部長、有明病院臨床病理センター長)
【受賞対象の研究業績】組織病理学を基盤とした融合キナーゼ遺伝子群の同定とそのがん診断法への応用

竹内所長補佐は、病理学者として腫瘍の病理診断学、特にリンパ種の診断学に深い造詣を持って研究してまいりました。2010年、胃において従来NK/T細胞系の悪性リンパ種と見なされて来た病変を集めて長期に追跡し、これらは、結局は自然消滅する良性疾患であることを明らかにしてlymphomatoid gastropathyと命名、これは新疾患概念としてその後世界的に認められています。
間野博行博士らが2007年にEML4-ALKという融合遺伝子が肺がん発生に関わることを明らかにしましたが、竹内所長補佐はmultiplex RT-PCR法や高感度免疫染色法を案出し、微細な免疫組織学的所見の差異を捉えて融合遺伝子を発見するという効率の良い方法を駆使して、多くの臓器腫瘍において、ALKをはじめ多数の融合遺伝子を発見しました。本邦初のALK阻害剤アレクチニブの開発では竹内法が大活躍し診断キットもできました。
同じ方法を用いて竹内所長補佐は、肺がんにおける新規ROS1融合遺伝子4種、新規RET融合遺伝子2種を発見し、肺がんの新たな疾患概念を提唱し、診断・治療への道を開拓しています。
竹内所長補佐の一連の業績は世界的にも高く評価されているものです。


高松宮妃癌研究基金学術賞とは:がんの領域において特に優れた業績を挙げた学者・研究者に対し、贈呈しています。日本人が日本で行った研究を対象とし、原則として2件が選ばれます。
高松宮妃癌研究基金学術賞のホームページはこちら(外部サイトへリンクします)

このページのTOPへ