【がん研セミナー（５月１８日）のお知らせ「Overcoming T cell exhaustion by PD-1 combination therapy with IL-2」端本 昌夫 博士（Emory Vaccine Center and Department of Microbiology and Immunology, Emory University School of Medicine）】
2023年05月09日
がん研セミナー（５月１８日）のお知らせ
演題：Overcoming T cell exhaustion by PD-1 combination therapy with IL-2
演者：端本 昌夫 博士（Emory Vaccine Center and Department of Microbiology and Immunology, Emory University School of Medicine）
抄録：
PD-1（programmed cell death 1）とそのリガンドであるPD-L1を介する免疫抑制性経路は、がんや慢性ウイルス感染症において認められるCD8陽性T細胞の疲弊（T cell exhaustion）に重要な役割を担っている。現在様々ながんを対象としてPD-1経路を標的とした免疫療法が有効な治療法として用いられているが、PD-1標的療法単独で治療効果が認められるのは一部のがん患者に限られているため、さらに良好な治療効果を得ることを目的としてPD-1標的療法と別の治療法の併用免疫療法の研究が現在盛んに行われている。こうした併用療法の有望な候補の一つとして共通γ鎖（common γ chain）サイトカインであるIL-2 （interleukin-2）が挙げられる。現在、がん患者を対象としてPD-1標的療法とIL-2療法の併用が数多く行われていることから、この併用療法が相乗効果を示すことの機序を理解することが重要である。リンパ球性脈略髄膜炎ウイルス（lymphocytic choriomeningitis virus，LCMV）慢性感染マウスモデルを用いてこのPD-1標的療法とIL-2療法の相乗効果の免疫学的な機序について解析して得られた知見と、新たな治療薬候補であるimmunocytokine （PD1-IL2v）を用いた研究成果について本講演で供覧する。
References
1. Hashimoto M. et al. Nature 610(7930):173-181, 2022.
2. Codarri Deak L., Nicolini V., Hashimoto M. et al. Nature 610(7930):161-172, 2022.
日時：２０２３年５月１８日（木） １６:００ 〜 １７：００
場所：吉田記念講堂
連絡先：野田 哲生
演題：Overcoming T cell exhaustion by PD-1 combination therapy with IL-2
演者：端本 昌夫 博士（Emory Vaccine Center and Department of Microbiology and Immunology, Emory University School of Medicine）
抄録：
PD-1（programmed cell death 1）とそのリガンドであるPD-L1を介する免疫抑制性経路は、がんや慢性ウイルス感染症において認められるCD8陽性T細胞の疲弊（T cell exhaustion）に重要な役割を担っている。現在様々ながんを対象としてPD-1経路を標的とした免疫療法が有効な治療法として用いられているが、PD-1標的療法単独で治療効果が認められるのは一部のがん患者に限られているため、さらに良好な治療効果を得ることを目的としてPD-1標的療法と別の治療法の併用免疫療法の研究が現在盛んに行われている。こうした併用療法の有望な候補の一つとして共通γ鎖（common γ chain）サイトカインであるIL-2 （interleukin-2）が挙げられる。現在、がん患者を対象としてPD-1標的療法とIL-2療法の併用が数多く行われていることから、この併用療法が相乗効果を示すことの機序を理解することが重要である。リンパ球性脈略髄膜炎ウイルス（lymphocytic choriomeningitis virus，LCMV）慢性感染マウスモデルを用いてこのPD-1標的療法とIL-2療法の相乗効果の免疫学的な機序について解析して得られた知見と、新たな治療薬候補であるimmunocytokine （PD1-IL2v）を用いた研究成果について本講演で供覧する。
References
1. Hashimoto M. et al. Nature 610(7930):173-181, 2022.
2. Codarri Deak L., Nicolini V., Hashimoto M. et al. Nature 610(7930):161-172, 2022.
日時：２０２３年５月１８日（木） １６:００ 〜 １７：００
場所：吉田記念講堂
連絡先：野田 哲生
