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【がん研セミナー(1月25日)のお知らせ「エピゲノム因子によるT細胞老化と個体老化の調節」竹馬 俊介 博士(慶應義塾大学 医学部 微生物学免疫学教室 准教授)】

2023年12月21日

がん研セミナー(1月25日)のお知らせ

演題:エピゲノム因子によるT細胞老化と個体老化の調節

演者:竹馬 俊介 博士(慶應義塾大学 医学部 微生物学免疫学教室 准教授)

抄録:
COVID-19の例で顕著に示されたように、個体老化に伴い、新しい病原体に対する免疫反応が低下する。一方で、生体にとって有害である炎症性疾患のリスクが増加する。このような、「免疫老化」の分子レベルでのメカニズムは明らかになっていない。
発表者は、自己免疫疾患やがんにおけるT細胞の機能を研究するかたわら、自然老化マウスの免疫細胞において、クロマチン制御因子であるTRIM28の発現低下が起こることを見出した。次いで免疫細胞特異的にTRIM28を欠損したマウスを作出し、これらのマウスがさまざまな炎症性疾患を自然発症する事を示した。TRIM28は、ヒストンメチル化を通じ、強力な遺伝子サイレンシングを担う核内因子であり、TRIM28発現低下細胞では、様々な免疫刺激性の遺伝子、特に内在性レトロウイルス(ERV)配列が脱抑制に伴い発現することがわかった。ERVなどのレトロトランスポゾンは、適切な抑制を受けないと宿主の免疫系をかく乱し、老化関連炎症形質の一因となりえる。本セミナーではこのような研究の経緯を紹介し、TRIM28をターゲットとした疾患治療の可能性について討論したい。

日時:2024年1月25日(木) 16:00〜17:00

場所:吉田記念講堂

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