がん研セミナー(7月15日)のお知らせ
2026年06月04日
演題:難治性がんに対する免疫細胞療法の再設計
演者:籠谷 勇紀 博士
(慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所がん免疫研究部門・教授)
抄録:
がん抗原を特異的に認識する抗腫瘍T細胞を体外で準備して患者に輸注する養子免疫療法の中でも、キメラ抗原受容体 (chimeric antigen receptor: CAR)T細胞療法は、血液腫瘍においては適応拡大が進んでいる。さらに、これまで不応とされてきた固形がんにおいても、有望な臨床試験結果が徐々に示されつつある。しかし持続的な治療効果、すなわち治癒が得られるがん種、症例は未だ限定的である。
T細胞機能の観点からは、様々な遺伝子改変によりT細胞のエフェクター機能や長期生存能を向上させる研究が多数展開されており、疲弊や終末分化による機能低下を克服できる可能性がある。安全面ではT細胞の活性化、増殖に伴い体内のマクロファージが活性化されることで、IL-6やIL-1などのサイトカインが分泌されることを契機とした、サイトカイン放出症候群や神経毒性が懸念される。治療効果の増強は不可避的に毒性リスクを高めることから、これらの両立も今後の課題となる。
本講演では、サイトカインシグナルやエピゲノム改変によるT細胞の機能改変や、生体内のT細胞に直接作用するモダリティ開発などについて、我々の最近の研究データを紹介する。
日 時:2026年 7月 15日(水) 17:00〜18:00
場 所:吉田記念講堂









