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【プレスリリース】NEC、大鵬薬品、がん研究会、産総研、早稲田大学による 量子計算技術を活用した次世代がん免疫療法に関する 共同研究開発プロジェクトがNEDO実証事業に採択

2026年10月02日

日本電気株式会社(注1、以下NEC)、大鵬薬品工業株式会社(注2、以下大鵬薬品)、公益財団法人がん研究会(注3、以下がん研究会)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(注4、以下産総研)、学校法人早稲田大学(注5、以下早稲田大学)による共同研究開発プロジェクト「量子計算技術を用いた次世代がん免疫療法創出のための計算・評価基盤構築と実証」が、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)/ユースケース創出のための大型実証」に採択されました。
本プロジェクトでは、がん免疫療法の有望な標的として期待されるネオアンチゲン(注6)を対象に、5者が有する量子計算技術、AI、創薬・医療、免疫学の技術と知見を融合し、ネオアンチゲン候補の設計・最適化と免疫学的な検証を可能にする、新たな計算・評価基盤の構築を目指します。

【背景】
現在のがん治療では、免疫系を利用してがんを攻撃するがん免疫療法が大きく進展しています。なかでも、代表的な手法である免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対する免疫応答を高める一方で、十分な治療効果が得られない患者さんもおり、新たながん免疫療法の開発が求められています。こうした課題へのアプローチとして、がん細胞に特異的に生じるネオアンチゲンを標的としたがん免疫療法が注目されています。
がん細胞に特異的に生じるネオアンチゲンは、MHCと呼ばれる分子によって細胞表面に提示され、免疫細胞による抗原特異的な免疫応答を誘導します。なかでも、MHCクラスII(注7)を介したCD4陽性T細胞応答の誘導は、他の免疫細胞の活性化や免疫応答の維持にも関与し、強力かつ持続的な抗腫瘍免疫を実現する鍵として期待されています。
一方で、MHCクラスIIを介した免疫応答を左右するアミノ酸配列、MHCクラスIIへの結合、細胞表面への提示などの要因については、いまだ十分に解明されていません。また、これらの要因を踏まえ、MHCクラスIIを介してCD4陽性T細胞の応答を誘導するネオアンチゲン配列を体系的に設計・最適化する手法も確立されていません。
そのため、複数の要因を考慮しながら、膨大なアミノ酸配列の組み合わせのなかから、多様かつ有望なネオアンチゲン候補を設計・最適化するには、複雑な計算が必要となります。量子計算技術をこうした配列設計や設計空間の探索に活用することで、より高い免疫原性を有するネオアンチゲン候補の創出を可能にする新たなアプローチの確立が期待されます。

【本プロジェクト概要】
本プロジェクトは、2026年9月から2029年3月まで実施する予定です。対象分野は創薬であり、量子計算技術とAIを活用して、MHCクラスIIを介してCD4陽性T細胞の応答を誘導するネオアンチゲン候補の設計・最適化を行うユースケースです。
具体的には、量子計算技術とAIを活用して、多様かつ有望なネオアンチゲン候補を設計・最適化を行い、免疫学的実験によって免疫応答への影響を検証します。さらに、免疫学的実験を通じて得られた知見を計算モデルやAIによる予測・評価手法に継続的に反映することで、計算による候補の設計・最適化と実験による検証を双方向に連携させた、ネオアンチゲン候補の設計・評価基盤の確立を目指します。
また、AIをネオアンチゲン候補に対する免疫応答の予測やスコアリングに活用するとともに、量子計算技術をネオアンチゲンのコア領域両端に位置するペプチドフランキング領域のアミノ酸配列設計に活用します。膨大な配列の組み合わせを対象に、複数の要因を考慮しながら、多様かつ有望な配列候補を設計する手法の可能性を検証します。これらの取り組みを通じて、創薬研究におけるネオアンチゲン候補の選定・設計・評価に向けた、計算と実験を連携させたアプローチの有用性を明らかにすることを目指します。

本プロジェクトでは、産総研 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)が整備する量子・HPC・AIを統合した計算基盤(ABCI-Q)を活用し、量子技術の社会実装と創薬分野への展開を推進します。今後、我が国発の量子技術による医療・創薬イノベーションの創出に向けて、研究開発を加速してまいります。


         本プロジェクト概要





























(注1)本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之
(注2)本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之
(注3)所在地:東京都江東区、理事長:浅野敏雄
(注4)所在地:東京都千代田区、理事長:石村和彦
(注5)所在地:東京都新宿区、理事長:本間敬之
(注6)がん細胞に特有の遺伝子変異に由来する抗原です。正常細胞にはないため、がん免疫療法の標的として期待されています。
(注7)免疫において抗原ペプチドを細胞表面に提示する分子の一つです。主にCD4陽性T細胞への抗原提示に関わります。

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