がん研先端研究セミナー(11月 26日)のお知らせ
2026年11月04日
演題:抗体工学が拓く次世代バイオ医薬品とバイオセンサの開発
演者:浅野 竜太郎 博士
(東京農工大学大学院工学研究院生命工学部門 教授)
抄録:
我々は、がん細胞とリンパ球間の架橋を志向した二重特異性抗体の開発に長年従事してきた。その過程で、構成するドメインが同じでも、組み替えることで活性が著しく向上することを見出し、さらに両標的抗原との三者複合体のクライオ電顕構造解析により、その活性向上のメカニズムに迫った(1)。抗体工学を駆使した更なる高機能化も進めてきたが、高すぎる効果は副作用が懸念される。その低減に向けてはプロドラッグ化がトレンドである。例えば、抗体を“マスク”しておき、がん組織送達に呼応して、がん細胞にマスクを外させる、というデザインが考えられる。我々は、汎用的なマスク配列の開発(2)、に加えて、リンパ球活性化因子をマスクとして融合させたより機能的な二重特異性プロドラッグ抗体の開発も進めている(3,4)。
一方、我々は培った抗体工学技術をバイオセンサの開発にも活かしてきた。疾患マーカーの計測には迅速性、簡便性、そして汎用性が望まれる。これらの達成に向けて、抗体、酵素、時には抗体にはない機能や可塑性を備えた核酸アプタマーも組み合わせた様々なバイオセンサを開発してきた(5-7)。本セミナーでは、次世代の人工抗体の開発に加えて、バイオセンサの開発にも触れたい。
(1) Cell Rep., 44, 115965 (2025)
(2) N. Biotechnol., 77, 80-89 (2023)
(3) J. Biol. Eng., 19, 45 (2025)
(4) Biochem. Eng. J., 233, 110260 (2026)
(5) Adv. Sci., 11, 2403871 (2024)
(6) J. Am. Chem. Soc., 146, 4087-4097 (2024)
(7) Adv. Sensor Res., 4, 2400112 (2025)
日 時:2026年 11月 26日(木) 16:00〜17:00
場 所:吉田記念講堂









