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【第58回がん研先端研究セミナーのお知らせ「姉妹染色分体での非メチル化ヒストンH4Lys20のDNA二重鎖切断修復における役割と損傷複製フォークのプロテオーム解析」中村 恭介 博士(Anja Groth group, University of Copenhagen)】

2019年08月15日

第58回がん研先端研究セミナーのお知らせ

 

演題:姉妹染色分体での非メチル化ヒストンH4Lys20のDNA二重鎖切断修復における役割と損傷複製フォークのプロテオーム解析

 

演者:中村 恭介 博士(Anja Groth group, University of Copenhagen)

 

抄録:DNA二重鎖切断(DSB)は重篤なDNA損傷であり、その修復は遺伝的安定性の維持と癌化の抑制に重要である。DSBは相同組換え (HR)と非相同末端結合修復 (NHEJ)の二つの経路で修復可能であるが、その修復経路選択のメカニズムは未解明である。我々は姉妹染色分体でのBRCA1-BARD1と非メチル化ヒストンH4Lys20 (H4K20me0)の結合がHRを誘導することを解明した。また、DNA複製の阻害を標的とした薬剤が抗がん剤として利用されているが、複製フォークが損傷を受けた際のタンパク質の挙動は未だ不明な点が多い。我々は新生DNA捕捉法により損傷複製フォーク近辺のクロマチンを空間的、経時的に単離し、さらにSILAC-MSと組み合わせることで量的・網羅的にタンパク質の構成を解析した。その結果、複製フォークにおける修復因子の構成が損傷の種類(フォークの停止・崩壊)により異なることを明らかにし、さらに新規HR関連遺伝子を同定した。このプロテオーム解析のデータは今後のDNA複製、損傷応答、がんの研究分野を含む生物の遺伝的安定性の理解に有用である。

 

参考文献,

1. Nakamura, K. et al. Nat. Cell Biol. 21, 311–318 (2019).

2. Alabert, C.  et al. Nat. Cell Biol. 16, 281–293 (2014).

 

日時:2019年9月30日(月)14:00〜15:00

 

場所:吉田記念講堂

 

連絡先:広田 亨(内線5251)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

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