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【がん研セミナー(2月15日)のお知らせ「直鎖状ユビキチン鎖翻訳後修飾に基づいた炎症環境適応機構 」佐々木 克博 博士(京都大学大学院医学研究科 細胞機能制御学教室 講師)】

2023年01月26日

がん研セミナー(2月15日)のお知らせ

演題:直鎖状ユビキチン鎖翻訳後修飾に基づいた炎症環境適応機構

演者:佐々木 克博 博士(京都大学大学院医学研究科 細胞機能制御学教室 講師)

抄録:
ユビキチン鎖修飾系は、タンパク質分解やシグナル伝達など多彩な細胞内生理機能を制御するタンパク質翻訳後修飾系である。近年、ユビキチン同士の結合様式の違いに基づくユビキチン鎖の構造学的多様性が、この修飾系の多機能性を担保する理由の一つであることが分かってきた。私たちは、TNFなど外因性炎症因子の刺激を受けて形成が促される特殊な直鎖状ユビキチン鎖(M1鎖)に着目し、分子・細胞・個体レベルでの階層的研究手法を駆使し、その生理機能の詳細理解を推進してきた。
私たちが発見したタンパク質酵素複合体Linear ubiquitin chain assembly complex (LUBAC) は、直鎖状ユビキチン鎖を形成する唯一のE3ユビキチンリガーゼである。LUBACは炎症因子受容体の細胞内領域に集積する介在分子等を基質としてM1鎖を形成することで、炎症活性化シグナルの亢進と同時に、デスリガンドがもたらすプログラム細胞死経路を強力に抑制する。私たちは外部炎症環境に暴露した際に駆動するこの特殊な細胞内生理機能を、組織・臓器レベルでの「炎症環境適応機構」の中核となるメカニズムと位置づけており、炎症疾患モデル動物を用いた研究から、M1鎖が慢性炎症性疾患の病態形成に関与していることを報告している。
今回の講演では、この炎症環境適応機構の基本的概念をご紹介しつつ、さらにメラノーマ癌移植モデルを用いた最近の私たちの研究から、当該機構が関与する新たな癌内炎症慢性化メカニズムが種々の癌悪性形質や免疫抵抗性の獲得を促す可能性が見出されており、癌病態学領域での本研究の新たな展開についても議論したい。

日時:2023年2月15日(水) 13:00開始

場所:吉田講堂とオンライン配信によるハイブリッド形式
*オンライン参加の方は以下のURLから事前登録後、お送りするZOOMアドレスからご参加下さい。
 https://zoom.us/webinar/register/WN_jvW5I40AQ9S8zPPtqxjarg

連絡先:高橋 暁子

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