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お知らせ

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人工乳房の保険適用について

2013年06月18日

 乳がん全摘手術後の乳房再建に用いる人工乳房が国内で初めて厚生労働省に承認されました。日本では年間6万人が乳がんを発症し、うち2万人が全摘手術の対象となっており、患者負担が大幅に軽減されるとともに、喪失感を補う選択肢の一つが多くの女性に開かれたこととなります。

  1. 乳房再建には、お腹や背中の脂肪、筋肉、皮膚を移植する方法(自家組織移植法)と人工乳房を使う方法がありますが、従来は自家組織しか保険が使えませんでした。新たに保険適用される再建術は、がんの切除と同時に皮膚を膨らませるための器具(皮膚拡張器:エクスパンダー)を留置し、数ヶ月後にシリコンでできた人工乳房と入れ替える方法です。この2製品が承認されたことで、手術、麻酔や関連費用も同時に保険を用いた治療が可能となります。
  2. 今回、皮膚拡張器は、しずく型で自然な乳房の形に近く、感染の危険性も低い最新型が承認されました。しかし、人工乳房は柔らかい円形の旧型のもので、主に豊胸術などに用いられてきたタイプです。乳房再建用として当院で使用中の「しずく型」は、実際の乳房に形の近いことから多くの患者さんに適応してきましたが、なお現在も製造販売の申請中で、未だ承認の目途はたっていません。

 当院では今回のエクスパンダーと円形インプラントの承認を受け、9月頃の運用開始を目指しています。今回、保険承認にあたり製品が安全に使われるよう、国により厳しい安全基準が設けられ、施設基準や手術ができる医師の基準を設け、講習会の受講、症例の登録や術後長期にわたる追跡調査も義務づけられており、一日も早く要件を満たすよう準備しております。

 人工乳房に関して健康保険での実施が可能な状況になりましたら、改めてホームページ等でお知らせする予定です。

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